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ADDAC304 & ADDAC305 解説 EP.1: Manual Gates and Latches

ガイド: ADDAC304 & ADDAC305 解説 EP.1: Manual Gates and Latches

著者: Takazudo | 作成: 2026/07/09

ADDAC304 Manual GatesとADDAC305 Manual Latchesの解説シリーズ EP.1です。今回は、ADDAC System公式動画「ADDAC304 & ADDAC305 Manual Gates and Latches」に沿って、この2つのモジュールの基本的な違いと、パフォーマンスでの使いどころを整理します。

どちらも8つのボタンと8つの出力を持つ、手でGateを作るためのユーティリティモジュールです。ADDAC304は、ボタンを押している間だけ+5Vを出力するモーメンタリタイプ。ADDAC305は、ボタンを押すたびにON/OFFが切り替わり、ONの間だけ+5Vを出力するラッチタイプです。さらに、どちらのモジュールも4チャンネル分は入力を備えており、外部から入れた音声信号やCVを手動スイッチで通せます。

2つのモジュールの基本動作

ADDAC304とADDAC305は、パネル構成がかなり近いモジュールです。どちらも8つの出力を持ち、それぞれのボタン操作に応じて+5VのGateを出力します。

違いは、ボタンがどのように状態を保つかです。ADDAC304は、押している間だけ出力がHIGHになります。ボタンから指を離すと、出力はLOWに戻ります。ADDAC305は、1回押すと出力がHIGHになり、もう1回押すまでその状態を保ちます。

ADDAC304 Manual GatesとADDAC305 Manual Latches。どちらも8つの手動Gate出力を備える

この違いにより、ADDAC304は「その瞬間だけ何かを起こしたい」操作に向きます。サンプルを鳴らす、エンベロープをトリガーする、短いフィルター変化を作る、といった使い方です。

ADDAC305は「状態をしばらく保ちたい」操作に向きます。ドラムトラックをミュート/アンミュートする、シーケンサーの方向やリセット状態を切り替える、一定時間だけ別のCVを混ぜる、といった使い方が考えやすいです。

2/4/5/7番チャンネルの入力

両モジュールには、8つの出力のうち4つに対応する入力があります。対象は2/4/5/7番チャンネルです。動画内の説明では、入力に信号が入っていない場合は通常の+5V Gate出力として動作し、入力に信号を入れた場合は、その信号を手動スイッチで出力へ通す、という構成として紹介されています。

ここで通せる信号は、GateやCVだけではありません。動画のカードでは、これらのスイッチは音声信号とCVの両方で使えるものとして説明されています。

2/4/5/7番チャンネルには入力があり、接続された信号をボタン操作で出力へ通せる

ADDAC304では、ボタンを押している間だけ入力信号が通ります。これは、普段は閉じている手動ゲートを、必要な瞬間だけ開けるような動作です。入力に何も挿していない場合は、そのチャンネルも通常どおり+5V Gateを出力します。

ADDAC305では、ボタンを押してONにしている間だけ入力信号が通ります。こちらは、信号ラインのミュート/アンミュートスイッチとして使いやすい動作になります。入力なしの状態では、ラッチスイッチがONの間だけ+5V Gateを出力します。

シーケンサーのスタートを手で作る

動画のデモでは、まずADDAC304/305を使って、2台のシーケンサーを同時にスタートさせる例が示されています。

手動スイッチで2台のシーケンサーを動かすためのクロックスタートを作る例

モジュラーシンセでは、クロックやリセットのような制御信号もCVとして扱います。そのため、手でGateを出せるモジュールがあると、演奏中に「ここから動かす」「ここで止める」といった操作を、パッチの一部として組み込めます。

ADDAC304を使う場合は、ボタンを押している間だけスタート用のGateが出ます。ADDAC305を使う場合は、ONにした状態を保てるため、シーケンサーのラン/ストップや、ゲート列の開閉に近い使い方がしやすくなります。

リセットと単発トリガー

続いて、手動Gateを使ってシーケンサーをリセットする例が出てきます。リセット入力を持つシーケンサーであれば、ADDAC304のボタンを押したタイミングで、パターンの先頭へ戻す操作を作れます。

手動Gateをシーケンサーのリセット入力へ送り、任意のタイミングで先頭に戻す

同じ考え方で、エンベロープジェネレーターやサンプラーのトリガー入力にも使えます。動画では、手動Gateでエンベロープをトリガーして音を鳴らす例が示されています。

手動Gateでエンベロープをトリガーし、音を鳴らす例

この用途では、ADDAC304のモーメンタリ動作が自然です。押した瞬間だけイベントを発生させられるので、演奏中のアクセント、クラッシュ、ワンショットサンプル、短いエンベロープなどを手で差し込めます。

フィルターやエフェクトを一時的に動かす

動画では、+5Vの手動Gateをフィルター入力へ送る例も紹介されています。ボタンを押した間だけフィルターを開く、というシンプルな使い方です。

+5Vの手動Gateをフィルター入力へ送り、押している間だけ音色を変化させる例

このような使い方では、単にGateを出すだけでなく、入力付きチャンネルを使って別の信号を通すこともできます。たとえば、LFOやエンベロープを入力へ入れておき、ボタンを押している間だけそのモジュレーションを目的のモジュールへ送る、という構成です。

また、音声信号を入力へ入れておけば、ADDAC304を「押している間だけ音を通す」スイッチとして使えます。動画では、音声信号をディレイエフェクトへ一時的に送る例が出てきます。これはCVではなく音そのものをルーティングしている例で、入力付きチャンネルがオーディオにも使えることが分かりやすい使い方です。

ADDAC304であれば、一瞬だけエフェクトを深くするような操作に向きます。ADDAC305であれば、同じ変化をしばらく維持したい場合に扱いやすくなります。

ラッチでドラムや状態をONにする

ADDAC305のラッチ動作は、ドラムやクロックのような連続するGate列を扱う時に便利です。動画では、別のドラムをラッチスイッチで追加する例が示されています。

ADDAC305のラッチスイッチで、別のドラムトリガーをONにする例

2/4/5/7番チャンネルの入力にシーケンサーのGate列を入れ、出力をドラムモジュールへ送ると、ADDAC305は手動ミュートスイッチとして働きます。ボタンがOFFならGate列は止まり、ONならGate列がそのまま通ります。

ボタンが光るため、ONになっているチャンネルを目で確認できる点も実用的です。複数のドラムやモジュレーションをまとめて扱う場合、現在の状態がパネル上で見えることは、演奏中の操作ミスを減らす助けになります。

方向、ディケイ、ランダム電圧への応用

動画の後半では、シーケンサーのDirection入力、エンベロープのDecayパラメーター、オシレーターへ送るランダム電圧など、よりパッチング寄りの例が続きます。

シーケンサーのDirection入力へ手動スイッチを使い、進行方向を変える例

Direction入力のような制御先では、ADDAC305のラッチ動作が使いやすい場合があります。ONの間だけ逆方向へ進む、または別の動作モードへ切り替わる、というように、状態変化として扱えるためです。同じように、別のラッチスイッチをエンベロープのDecayパラメーター制御へ使えば、短い減衰と長い減衰を手元で切り替えるような操作も作れます。

ランダム電圧をオシレーターへ送る経路を、手動スイッチで開閉する例

ランダム電圧をオシレーターへ送る例では、入力付きチャンネルの役割が分かりやすくなります。ランダムCVの経路を普段は閉じておき、必要な時だけADDAC304で通す、またはADDAC305でONに保つ、という構成です。

どちらを選ぶか

ADDAC304とADDAC305は、どちらが上位という関係ではなく、手で作りたい操作の時間感が違うモジュールです。

  • ADDAC304: 押している間だけ動かしたい操作に向く

  • ADDAC305: 一度ONにした状態を保ちたい操作に向く

短いトリガー、瞬間的なエフェクト、手で叩くアクセントにはADDAC304が扱いやすいです。ミュート/アンミュート、状態の切り替え、しばらく続けるモジュレーションにはADDAC305が合います。

動画内のパッチ全体。ADDAC304とADDAC305は、複数の制御信号を手元で扱うためのスイッチとして使われている

2つを並べると、一瞬だけ開くスイッチと、状態を保つスイッチを同じ場所にまとめられます。音を出すモジュールではありませんが、演奏中に「今だけ」「しばらく」「ここから」といった操作をパッチへ直接加えられる、かなりモジュラーシンセらしいユーティリティです。

EP.1はここまでです。今回は、ADDAC304 Manual GatesとADDAC305 Manual Latchesの基本動作と、公式動画で紹介されている使い方を整理しました。

この2つはTakazudo Modularでは結構人気商品のモジュールです。おそらく価格も低めなのと、様々なセットアップに気軽に入れられる、色々できそうという特徴があると思いますね。セットアップに一つ入っていると創造性が広がるモジュールだなと思いますので、色々使い方を想像してみると楽しいかと思います!

ADDAC304/ADDAC305 商品詳細

ADDAC304/ADDAC305の商品詳細は以下よりご覧いただけます。