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Mordax DATA 解説 EP.2: チューナー / スペクトラムアナライザー & スペクトログラフ

ガイド: Mordax DATA 解説 EP.2: チューナー / スペクトラムアナライザー & スペクトログラフ

著者: Takazudo | 作成: 2026/08/04

Mordax DATAの解説シリーズ EP.2です。今回は、入力信号の周波数を測定するチューナープログラムと、信号の倍音構成を表示するスペクトラムアナライザー&スペクトログラフプログラムを解説します。

EP.1では電圧の波形を時間軸で表示するオシロスコープを扱いました。今回扱うプログラムは、信号を「周波数」の側面から捉えるためのものです。チューナーは信号の基本周波数を音名として表示し、スペクトラム系のプログラムは信号がどんな倍音で構成されているかを可視化します。

チューナー

チューナープログラムは、入力信号の周波数を測定し、最も近いクロマチックスケールの音名を自動的に表示します。あわせて、測定した周波数と最近傍音の周波数とのズレ(Hz差)も計算されます。

画面では、最も近い音名とその周波数がチューニングバーの中央に表示され、その両側に隣り合う音(Next Note)が並びます。実際に測定された周波数は、その下に大きな数字で表示されます。デモ動画では、Intellijel Dixie 2のスクエア波とTipTop Z3000ののこぎり波をそれぞれチャンネル1・2に入力し、Dixie 2をE5に合わせたうえで、チャンネルをZ3000に切り替えて同じE5へチューニングしています。

チューニングバー中央に最近傍音と周波数、その両側にNext Note、下に測定周波数が大きく表示される

測定精度は±0.01Hz、測定範囲は27.50Hz〜2,960Hz(A0〜約F#7)です。4つの入力チャンネルのいずれかを選んで測定できるため、複数のVCOを素早く和音にチューニングするといった使い方ができます。

入力信号が10Vピーク・ツー・ピークを大きく下回る場合(おおむね6Vピーク・ツー・ピーク未満)は、Normalize機能をオンにすることで弱い信号でも解析を維持できます。ただしノーマライズは測定精度に影響する場合があり、2,200Hzを超える信号には推奨されません。高周波かつ低振幅の信号を測定する場合は、ノーマライズをオフにして外部のゲインアンプなどで信号をブーストしてから入力します。

チャンネルを切り替えながら複数の信号をチューニングできる。デモではDixie 2とZ3000をどちらもE5に合わせている

スペクトラムアナライザー

音(および一般的な周期信号)は、さまざまな周波数と振幅を持つサイン波の集まりとして表せます。この集まりが信号の周波数スペクトラムで、個々のサイン波がその信号の倍音(パーシャル)です。たとえばスクエア波は、基本波に対して奇数倍の周波数を持つサイン波を加えていくことで近似できます。

スペクトラムアナライザーは、時間領域の信号を受け取り、それを周波数領域で表示することで、信号を構成する倍音成分を見せてくれます。これは高速フーリエ変換(FFT)によって実現されています。各倍音はバーグラフとして表示され、バーが高く明るいほどその周波数帯域の強度が大きいことを示します。

デモ動画では、Dixie 2のサイン波とのこぎり波を入力し、サイン波は単一の倍音、のこぎり波は複数の倍音を持つ様子を表示しています。

サイン波は単一の倍音、のこぎり波は複数の倍音を持つことがバーグラフで確認できる

画面右上にはPeak Binが表示されます。これはバーグラフで最も高いバー、すなわち最大の強度を持つ周波数で、信号の第1倍音(基本周波数)に対応します。

また、Window Typeで入力信号に適用するウィンドウ関数(フィルター)を切り替えられます。ウィンドウタイプは、それを考案した人物の名前が付けられています。ウィンドウの種類によって、各倍音の見え方(スペクトラムバンドの広がり方)が変化します。

Window Typeでウィンドウ関数を切り替えられる。右上のPeak Binは第1倍音(基本周波数)を示す

スペクトログラフ

スペクトログラフは、スペクトラムアナライザーと同じFFTの出力を時間軸に沿って表示するプログラムです。X軸の1列のピクセルが、スペクトラムアナライザーで見た1フレーム分のFFT解析に対応します。スペクトラムアナライザーが強度をバーの高さで表すのに対し、スペクトログラフは強度を色の変化として表示します。

スペクトログラフはFFTの出力を時間軸で表示する。各列が1フレームのFFT解析に対応する

オシロスコープと同様に、スペクトログラフにも表示を一時停止・再開するRUN/STOPと、描画をクリアするClearのコントロールがあります。

スペクトログラフが活きるのは、FM(周波数変調)による倍音構成の変化を観察する場面です。デモ動画では、Z3000ののこぎり波にリニアFMをかけて変調を強めていく様子や、低い周波数では変調波(Dixie 2のサイン波)そのものが見えてくる様子、そしてエクスポネンシャルFMでは大きく異なるパターンが現れる様子が表示されています。

FMによる倍音構成の変化を時間軸で観察できる。リニアFMとエクスポネンシャルFMで異なるパターンが現れる

EP.2はここまでです。今回はチューナーと、スペクトラムアナライザー&スペクトログラフの解説でした。チューナーで信号の基本周波数を音名として把握し、スペクトラム系のプログラムで信号の倍音構成やFMによる変化を周波数領域で観察する、という使い方を扱いました。次回のEP.3では、信号を生成する側のプログラム——波形ジェネレーター、クロック出力、ボルテージモニターを解説します。

なお、本記事で参照しているデモ動画はMordax Systems公式のデモ動画です。実際の画面の動きはぜひ動画でご確認ください。

Mordax DATA 商品詳細

Mordax DATAの商品詳細は以下よりご覧いただけます。

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  1. EP.1モジュール概要とオシロスコープNEW2026/08/03
  2. EP.2チューナー / スペクトラムアナライザー & スペクトログラフこの記事2026/08/04