OXI ONE MKIIの解説シリーズ EP.12です。今回はファームウェアに追加された新しいシーケンスモード、Domino Modeを解説します。
Domino Modeは、メロディー(音程)情報とリズム(トリガー)情報を切り離して扱うポリフォニックシーケンサーです。2つの要素を独立したレイアウトに分けることで、1つの音楽的アイデアから多様なバリエーションを生み出すワークフローを狙ったモードになっています。mono / polyモードで使える機能(リピートエンジン、アキュムレーターなど)はDomino Modeでもそのまま利用できます。
Takazudo Modularではマニュアル等の日本語訳付きを作成し、公開しています。以下よりご参照下さい。
- Domino Modeの概要
- ノートセクションとトリガーセクション
- 両セクションの長さを揃える
- ノートの入力方法
- mono / poly とMultiplex設定
- セクションをデカップルする
- リピートエンジンの挙動
- アキュムレーター
- Velocity / Gate / Groove / ランダマイズ
- 次回予告
Domino Modeの概要
Domino Modeでは、グリッドが大きく2つの領域に分かれています。ノートセクションで音程を、トリガーセクションでリズムを別々に扱い、それぞれを独立したシーケンスとして編集できます。
トリガーセクションでアクティブなトリガーが発火するたびに、ノートセクションのプレイヘッドが1つ進みます。つまり「いつ音を出すか(トリガー)」と「どの音を出すか(ノート)」が分離されており、2つのセクションの長さやステップ配置を変えるだけで、同じノート列から異なるフレーズが生まれます。
ノートセクションとトリガーセクション
グリッドの構成は次のようになっています。
上の2行: ノートセクション。音程(ピッチ)の値を入力する
下の4行: トリガーセクション。アクティブなトリガーがノートセクションのプレイヘッドを進める
最下段の2行: キーボード。あわせてオクターブセレクター(黄色と青)とベロシティセレクター(ピンク)が並ぶ
トリガーセクションのステップを有効にすると、そのタイミングで発音が起こり、同時にノートセクションのプレイヘッドが次へ進みます。ノートセクション側は「次にどの音を鳴らすか」を順番に保持しているイメージです。
両セクションの長さを揃える
Domino Modeの動きを理解するために、まずはノートセクションとトリガーセクションの長さを両方とも4ステップに揃えてみます。
Endボタンを押しながら、各エリアの4番目のステップを押すと、そのセクションの長さが4ステップに設定されます。ノートセクションとトリガーセクションの両方で同じ操作を行うと、2つのセクションが完全に同期し、4ステップのシンプルなシーケンスができあがります。
ノートの入力方法
ノートの入力には複数の方法があります。
1つ目は、ページを移動しながらエンコーダーで値を決める方法です。mono / polyモードと同じ操作感で音程を入力できます。
2つ目は、キーボードを直接使う方法です。ノートのステップを押さえたまま、最下段のキーボードから音程を加えます。すでに入力されているノートは白く点灯して表示されるため、現在の状態を確認しながら編集できます。キーボードをタップすることで、ノートの追加と削除を切り替えられます。
3つ目は、キーボード側で複数のノートを押さえた状態でステップをタップする方法です。押さえている音程がそのステップにまとめて入力されます。このとき、そのステップに既存のノートがある場合は、新しく押さえたノートに置き換えられます。
mono / poly とMultiplex設定
シーケンサー設定の中で、Domino Modeをmonoモードとして動かすかpolyモードとして動かすかを選べます。あわせてMultiplex機能を有効にすると、ポリフォニックの情報を複数のMIDIチャンネルに振り分けて送出できます。Multiplexの詳しい使い方は今後のビデオで扱われる予定です。
デフォルトはpolyモードで、この状態では1ステップあたり最大4音まで重ねて入力できます。
セクションをデカップルする
両セクションの長さを揃えた状態は、あくまで出発点です。ここから片方のセクションのステップを削っていくと、ノートとトリガーがデカップル(分離)し、2つのセクションがそれぞれ別の周期で動き始めます。
まずトリガーを1つ削除すると、1周あたりのトリガー数が減るため、ノートセクションのプレイヘッドは1周で3回しか進まなくなります。さらにトリガーセクションの長さを5ステップに変更し、ノートセクションからもステップを1つ削ると、2つのセクションの周期がずれて、シーケンスに位相のずれが生まれます。
このように、メロディーとリズムをそれぞれ独立した要素として扱えるのがDomino Modeの中心となる考え方です。1つのノート列をそのままにしておいても、トリガー側の長さや配置を変えるだけで、フレーズが少しずつ変化し続けます。
リピートエンジンの挙動
リピートエンジンは、ノートセクションとトリガーセクションで異なる挙動になります。
ノートセクションにリピートを加えると、そのステップのノートは繰り返されますが、ノートのプレイヘッドは進みません。同じ音が連続して鳴る形になります。
一方、トリガーセクションにリピートを加えると、リピート1回ごとにノートのプレイヘッドが進みます。リピートの回数に応じて、次々と別のノートが呼び出される形になります。リピートがノート列とどう噛み合うかによって、出力されるフレーズが変わります。
アキュムレーター
mono / polyモードと同様に、Domino Modeでもアキュムレーターを使えます。ステップの値を周回ごとに加算・変化させていくことで、複雑に展開し続けるシーケンスを作れます。デカップルやリピートの仕組みと組み合わせると、同じパターンでも長時間かけてゆっくり変化していくシーケンスが構築できます。
Velocity / Gate / Groove / ランダマイズ
ノートページでは、各ステップのVelocity(ベロシティ)やGate(ゲート=ノートの長さ)を変更できます。さらにパターン全体にGrooveを適用すると、タイミングにノリを加えられます。
仕上げとして、Velocity、オクターブ、ノートそれぞれにランダマイズを加えると、毎回少しずつ異なる演奏になり、機械的な反復感を和らげられます。
次回予告
ビデオの中では、ポリフォニック情報を複数のMIDIチャンネルに振り分けるMultiplex機能が、今後のビデオで扱われるトピックとして予告されています。
EP.12はここまでです。今回はDomino Modeの解説でした。
Takazudo自身は始めこの動画を見かけたとき、これ?こんな機能あったっけ?と思ったのですが、これはファームウェアバージョン2で追加された新モードとのこと。このほかにもSagaモードも加わっており、意欲的なアップデートであると感じます。(つまり、2026年6月以前に購入した方にとってはファームウェアアップデートが必要なのでご注意下さい)
内容もメロディーとノートの発音を分けるというものです。個人的にはモジュラーシンセだと割と自由にそういうことが出来るので、それが一つのシーケンサーの中で完結するのは嬉しい機能。しかしそこにリピート機能やアキュムレーター機能がのってくるので、さらに高度なコントロールが可能という形になっている印象です。
そしてこの1ページだけで長いシーケンスがコントロール出来るため、短いメロディーしか使わない場合でも、start〜endの位置を切り替えながら、様々なバリエーションや展開を付けられそうなモードと言えそうです。
このようなOXI ONEのアップデートは、今までただシーケンサーを、記録したMIDIを鳴らすものと考えていた人には新鮮に感じられるのではないでしょうか。シーケンサーの楽しさが感じられるモードとなっているので、是非お試し頂ければと思います。
OXI ONE MKII 商品詳細
OXI ONE MKIIの商品詳細は以下よりご覧いただけます。
初代OXI ONEの後継となる、8パート最大64トラックを扱えるスタンドアロンシーケンサーのBlack Edition。拡張されたジェネレーティブ機能、大型OLEDディスプレイ、強化されたCPUを備え、モジュラーやMIDI機材のマシンライブ、DTMまで幅広いセットアップにマッチする。

初代OXI ONEの後継となる、8パート最大64トラックを扱えるスタンドアロンシーケンサーのNostalgia Edition。拡張されたジェネレーティブ機能、大型OLEDディスプレイ、強化されたCPUを備え、モジュラーやMIDI機材のマシンライブ、DTMまで幅広いセットアップにマッチする。












