
Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、ADDAC SystemのADDAC312 Gate Pedalの紹介/解説記事になります。
ADDAC312 Gate Pedalは、足元で+2.5Vのゲート信号を送出できるフットスイッチ型コントローラー。手を使わずに録音や再生、エフェクトの切り替えなどを行う場面に最適で、モジュラーシステムの操作性を拡張。デバウンス回路を搭載し、不要なノイズや誤動作抑制も考慮。バーチ合板にウォールナット突板を施した美しい木製仕上げ。
本商品は以下よりご購入頂けます。
商品写 真




機能と操作性
ADDAC312は、ユーロラックモジュラーシステムにおいて、+2.5Vのゲート信号をシンプルに送出するための外部フットペダルです。演奏者の両手が他のモジュールで埋まっている状況でも、足元からトリガー信号を送ることができるため、録音や再生、シーケンサーのスタート/ストップといった基本的な動作を即時に制御できます。
デバウンス回路が搭載されており、踏み込み時の信号のチャタリング(誤検出)を防止。これにより、ライブパフォーマンスや即興演奏中でも安定した動作が保証されます。応答性の高いスイッチ構造により、演奏の流れを損なうことなく自然なタイミングでゲート信号を送出できます。
接続と互換性
出力は3.5mmモノジャックにより提供され、ほとんどのユーロラックモジュールとの互換性を確保しています。特に当店で扱いがある製品で言えば、ADDAC112 Looper & Granular Processorや、Weston Precision Audio: SE1 Shaped VC Envelopeのような、ゲートによるトリガー入力を備えるモジュールとの組み合わせでその真価を発揮します。単一の信号出力ながら、ゲート入力を受け付けるモジュールであれば、いかようにも応用が可能。ユーティリティモジュールやエフェクト系、シーケンサー、ロジックモジュール等の可能性を広げ ます。
また、9V電池で動作するため、電源環境を選ばずに使用可能です。ユーロラックケースの電源を消費せず、外部ペダルとして独立した信号制御が可能な点も特長です。
デザインと素材
本体筐体は、バーチ合板にウォールナット突板を施した美しい木製仕上げ。木材の質感は一つひとつ異なり、工業製品としての機能性に加え、視覚的・触覚的にも個性的な存在感を持ちます。
サイズは74mm x 74mm x 25mm、重量は約120gとコンパクトかつ軽量で、ペダルボードや演奏スペースへの組み込みも容易です。足元に自然に馴染むフォルムと手作業による仕上げが、使い込むほどに愛着を感じさせる設計になっています。
電池について
ADDAC312 Gate Pedalは、9V電池(PP3型)で動くように設計されていますが、本品に電池は付属していません。動作のためには別途電池をご購入の上、裏蓋を開けて装着の上、ご利用頂きますようお願い致します。
9V PP3型電池とは、例えば以下のような商品がご利用頂けます。
装着のためには、一度、底面のネジを外す必要があります。以下写真を参考に装着を行ってください。


Takazudo的所感
このADDAC312を入荷したきっかけとしては、モジュラーシンセとギター等、生楽器を組み合わせる方法を共有するようなイベントで会話した内容が発端となっています。そもそもギターペダルというものはなぜ足で踏めるようになっているのでしょうか? ──と言われればそれは当然、演奏中に両手が塞がっていて、手で操作ができないからです。
そんなわけで、ギターを演奏する人は、人によってはたくさんのペダルエフェクターを用意し、それらを駆使してライブを行 ったりするわけです。なので、その様にギターを主に演奏する方にとっては、モジュラーシステムとギターを組み合わせる場合、どうにか足でモジュラーを操作できないかな?という発想が生まれます。
そういう会話をしていると、あ、なんかそういうの丁度ADDAC Systemから出たんですよという話をしていました。ギター以外であっても、キーボードやフルート、カリンバでも何でも、両手が塞がっていたら他のどこかで操作したくなるわけでして、そんなわけでこのADDAC312というデバイスは、生楽器とモジュラーを組み合わせたい方にはうってつけのデバイスだと思います。
ただし、別にその様な楽器プレイヤーの方で無くても、色々と応用は考えられます。単純にモジュラーシンセ単独で演奏する場合であっても、例えば私Takazudo自身は結構OXI ONEが演奏の中心となることが多いのですが、このようなシーケンサーを1つや2つ操作するだけでも、あ、僕の手は2本しかないですね……と、やれることは限られてくるような気はしないでしょうか。
別に何かその、出来ることの限界を超えていきましょう!という話ではないのですが、このようなペダル型インターフェースでゲートを出してくれるものが一つあるだけで、演奏の幅が広がるかと思うのですがどうでしょうか。例えばSE1のようなモジュールを使い、長めのエンベロープを準備しておき、それを足で押したときだけトリガーさせ、ワンショット的なサウンドを再生させたり、パート毎のミュートを行うなど、 色々と可能性の広がりを与えてくれるデバイスであると言えるでしょう。
関連商品

関連商品としてまず、ADDAC313 Triple Gate Pedalをご紹介しておきます。こちらはこのゲート出力を3つ持つ同種のペダルで、さらにゲート出力を増やしたい場合に便利な商品になっています。
そしてもう一つは、ADDAC304 Manual Gatesも併せてチェックしていただけると良さそうです。こちらはペダルではなく、ボタンを押すとゲートを出力するモジュール。足下では無くユーロラックの中でゲートを出すボタンが欲しければ、8つのボタンを持つこのモジュールが有効に活用できます。
技術仕様
- 寸法: 74mm × 74mm × 25mm
- 重量: 約120g
- 出力: 3.5mmモノジャック(+2.5Vゲート信号)
- 電源: 9V電池(PP3型)駆動
- 消費電力: ユーロラック電源は不要
- 材質: バーチ合板(ウォールナット突板仕上げ)
ADDAC Systemについて
ADDAC Systemはポルトガルのモジュラーシンセメーカーです。
アナログ良さを生かした、ベーシックな機能をしっかり形にしているモジュールラインナップを基本としつつも、CVをMIDIに柔軟にコンバートしたり、高度にコントロール可能なグラニュラープロセッサー等、デジタル技術もうまく調和させた独創的なモジュールも数多くリリースしています。
オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。
パッチケーブルや電源ケーブル、ドレスナットのサンプルセット、モノラルスプリッターなど、内容は時期に応じて変化します。商品に同梱しますので是非お試し下さい!