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4ms Company: Leveling EQ Amplifier

4ms Company: Leveling EQ Amplifier

著者: Takazudo | 作成: 2026/07/16

Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、4ms CompanyのLeveling EQ Amplifier [LEQA]の紹介です。

Leveling EQ Amplifierは、ステレオ幅調整、EQ、コンプレッション/リミッターを14HPにまとめたEurorackモジュールです。単体の音源、ステレオバス、マスターバスなど、パッチの終段で音の幅、帯域、レベルを整える用途に向いています。

Takazudo Modularではマニュアル等の日本語訳付きを作成し、公開しています。以下よりご参照下さい。

商品写真

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概要

Leveling EQ Amplifierは、4ms公式ページ上で2026年6月30日にグローバルリリースされた、エンド・オブ・チェーン向けのステレオ・オーディオプロセッサーです。単体パート、ステレオバス、マスターバスなど、パッチの終段に置いて音を仕上げることを想定して設計されています。

このモジュールは、ミキシングの定番機材として知られる**LA-2A光学式コンプレッサー**と、Neve 1073 EQという2つの名機からインスピレーションを得ています。フルパラメトリックにするのではなく、あらかじめ用意されたカーブと周波数を選ぶ方式にすることで、ミキシングの操作を直感的にまとめているのが特徴です。少ない操作で良好な結果が得られるよう作られています。

主な処理は、Stereo Width Processor、EQ、Compressorの3系統です。EQはコンプレッサーの前段/後段に切り替え可能で、EQをバイパスすることもできます。各セクションを個別に調整することで、モノラル素材のステレオ化、ステレオバスの幅調整、帯域補正、ピークの抑制、パラレルコンプレッションまでを1台で扱えます。

Stereo Width Processor

Stereo Width Processorは、心理音響的な処理を組み合わせて、モノラルまたはステレオ信号から豊かなステレオ音場を作るセクションです。WidthノブとWidth CV入力(0V〜+5V)でコントロールします。

左入力のみをパッチするとMono Mode、左右両方をパッチするとStereo Modeとして動作し、それぞれ挙動が変わります。

Mono Mode(モノラル入力)

左入力のみを使うモノラル入力時は、Haas効果とMid/Side処理という2つの手法を組み合わせて、モノラル信号からステレオ感を作ります。

Haas効果は、同じ信号を左右に振り分け、片側だけを数十ミリ秒(本機では約20ms)遅らせることで、脳が音の到来方向を判断しきれなくなり、豊かなステレオ感として知覚される現象です。Mid/Side処理は、左右の和(Mid)と差(Side)を使って、音が中央から聞こえるか左右から聞こえるかのバランスを操作します。

モノラル入力時のHaas効果。原音と約20ms遅延させた信号を左右のスピーカーに振り分け、Widthの設定でステレオ幅が変化する。

WidthノブとCVは、ドライ(原音)とウェット(遅延音)のミックスと位相関係をクロスフェードします。

  • 0%(最小): Stereo Width処理はバイパスされ、両チャンネルとも原音を出力

  • 5%: 両出力に遅延信号がフェードインし始める

  • 50%付近: 原音と遅延音のパンがモノラルからフルステレオへ(原音を左、遅延音を右へ振り分け)

  • 50%100%: 差分信号を加えていき、ゲインと独特の位相関係が加わってさらに広い印象に

なお、Mono Modeで処理したあとに出力を再びモノラルへまとめる場合は、Width0にしてStereo Widthセクションをバイパスすることが推奨されます。Haas効果はモノラルにまとめると単なるディレイとして知覚され、位相の打ち消しが起きる場合があるためです。

Stereo Mode(ステレオ入力)

左右両方に信号をパッチすると、ディレイを使わずにMid/Side系の処理だけで幅を調整します。

  • 0%50%: 左右の和(モノラル)からフルステレオ(左→左、右→右)へ

  • 50%100%: 差分信号を増やしていき、フルステレオから「スーパーステレオ」へ

Width CV入力は0V〜+5Vに対応し、ノブ設定に加算されます。

ステレオ入力時は遅延を使わず、Mid/Side処理で幅を調整する。

EQ

EQセクションは、ミックスの特定の周波数をブースト/カットするセクションです。High-passLow shelfMid bellHigh shelfの4フィルターで構成され、周波数は各セクションのボタンで選択します(選択内容は電源を切っても保存されます)。

フィルター構成

  • High-pass: 50Hz80Hz160Hz300Hzから選択

  • Low shelf: 35Hz60Hz110Hz220Hzから選択

  • Mid bell: 360Hz700Hz1.6kHz3.2kHz4.8kHz7.2kHzから選択

  • High shelf: 10kHz固定

Low shelfMid bellHigh shelfはいずれも約6dB/octのなだらかなカーブを持ち、ノブでブースト/カットします。High-passのスロープはEQ dB設定と連動し、±15dB時は18dB/oct±5dB時は6dB/octになります。

EQのゲイン幅は±5dBまたは±15dBから選択できます(Low-shelf選択ボタンを2秒長押しで切り替え)。±5dBはステレオバスやマスターでの細かい補正に、±15dBは個々の楽器の大きな音色変化に向いた設定です。

EQ Level0%から100%までの範囲でEQ処理全体のレベルを調整します(0%で無音、100%でユニティゲイン)。出力が±10Vを超えるとハードクリップし、Clip LEDで確認できます。

接続位置とルーティング

EQ内部の処理順は、High-passLow shelfMid bellHigh shelfの直列です。High-passLow shelfの前に置いているのは意図的な設計で、低域シェルフでブーストする前に不要なDCや超低域を取り除くことで、ヘッドルームと音の輪郭を改善できます(いわゆるPultec的な使い方に対応します)。

PrePostBypassの3ポジションスイッチで、EQをコンプレッサーの前段(Pre)に置くか、後段(Post)に置くか、あるいは信号経路から完全に外す(Bypass)かを切り替えます。

Pre/Post/BypassによるEQの位置。Pre=コンプレッサー前、Post=コンプレッサー後、Bypass=EQをオフ。

Compressor

コンプレッサーは音源のダイナミックレンジを整えるセクションで、LA-2A光学式コンプレッサーに着想を得ています。厳密なクローンではありませんが、光学式コンプレッサーの挙動を再現する設計です。

光学式コンプレッサーは、入力レベルに応じてランプ(電球)の明るさが変わり、それを受けるフォトセルによって出力のゲインを下げる仕組みです。電球の点灯・消灯にともなう緩やかで対数的なレスポンスがアタック/リリースをゆっくりとしたものにし、「温かみ」「ヴィンテージ」と表現される音につながります。

Amountノブは、ゲインリダクションが始まるスレッショルドを変化させ、どの程度圧縮をかけるかを決めます。Amountを下げると大音量部分だけが、上げるとより広い範囲が圧縮されます。

CompBypassLimitスイッチは圧縮レシオを切り替えます。Comp3:1Limit10:1で、中央のBypassはコンプレッサーを信号経路から外します。一般に、個々の音源には10:1、ステレオバスやミックス全体には3:1が使われますが、厳密なルールはありません。

コンプレッサー上部の9個のLEDメーターは、ゲインリダクション量を表示します。右端が0dB、左端が-24dBで、一般的なVUメーターとは逆に右から左へ振れます(信号レベルではなく「下げた量」を示すためです)。

Gainノブでは最大+40dBのメイクアップゲインを加えられます。圧縮で下がったレベルを戻すのが主な用途ですが、そのまま歪みやクランチを得るエフェクトとしても使えます。出力は±10Vでハードクリップし、Clip LEDで確認できます。

Mixノブはドライ(原音)/ウェット(圧縮音)のクロスフェードです。深めの圧縮をかけた音を原音に少量ブレンドする「パラレルコンプレッション」に使うと、原音のダイナミクスを保ちつつ音に密度と迫力を加えられます。

コンプレッサーの信号の流れ。Envelope Followerで入力レベルを検出し、Gain ReductionとMakeup Gainを経て、Mixでドライ/ウェットをブレンドする。

仕様

基本仕様

  • フォーマット: Eurorack

  • サイズ: 14HP

  • 奥行き: 25mm(電源ケーブル込み)

  • 消費電流: +12V 120mA(最大)、-12V 10mA(最大)、+5V未使用

オーディオ/CV

  • バイパス時の周波数範囲: 8Hz〜24kHz ±0.1dB

  • 最大振幅: 19.2Vpp

  • Width CV入力: 0V〜+5V

DSP

  • サンプルレート: 96kHz

  • コーデック: 24bit

  • 内部処理: 32bit

  • プロセッサー: 1GHz Cortex-A7

製品の保証について

こちらの商品はメーカー規定で、一般的な通常の使用環境を前提とした1年の保証を約束していただいており、販売させていただいています。商品の不具合等がございましたらお問い合わせ下さい。

デモ動画

以下はメーカーである4ms公式のチュートリアル動画です。EQ・ステレオ幅・コンプレッサー/リミッターといった各セクションを章立てで取り上げ、サンプラーを音源に、それぞれのコントロールが音にどう作用するのかを実際の音とともに解説しています。

以下はEurorack系YouTuberのDivKidによる解説動画です。単なるデモにとどまらず、EQ・コンプレッション・ステレオ幅の各処理が何をするものなのか、なぜ必要になるのかを、さまざまなジャンルのパッチ例とともに掘り下げています。


About the Brand

4ms Companyについて

4ms Companyは1996年の創業以来、ミュージシャンのための革新的なオーディオエレクトロニクスを設計・製造してきたアメリカのメーカーです。現在はオレゴン州ポートランドに拠点を置き、西海岸のシンセサイザーメーカーの中心地で活動しています。

MetaModule(ソフトウェアモジュールのためのハードウェアインターフェース)、Catalyst Sequencer、Looping Delay、Samplerなど、ハードウェアの直感的な操作性とソフトウェアの柔軟性を融合させた製品で知られています。クリーンで低ノイズ、高音質な楽器を追求し、完成品とDIYキットの両方を提供することで、初心者から上級者まで幅広いユーザー層に対応しています。

オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。

パッチケーブルや電源ケーブル、ドレスナットのサンプルセット、モノラルスプリッターなど、内容は時期に応じて変化します。商品に同梱しますので是非お試し下さい!

ロゴ:電氣美術研究會

Leveling EQ Amplifier [LEQA]の紹介は以上になります。

Takazudo Modularではマニュアル等の日本語訳付きを作成し、公開しています。以下よりご参照下さい。

ご参考になれば幸いです。