Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、RYK ModularのTime Sliceの紹介/解説記事になります。Time Sliceは、4チャンネルのオーディオI/Oとステレオミックス出力を備えた、26HPのルーパー/サンプリングマシンです。
トラックごとにピッチシフト、ディレイ、リバーブ、ティルトフィルター、wave foldといったエフェクトをかけられるほか、録音したループはWAVマーカー付きのWAVファイルとして内蔵ストレージやUSBストレージへ保存できます。
- 商品写真
- マニュアルとガイド
- 概要
- 4チャンネルのオーディオI/Oとステレオミックス出力
- トラックごとにかけられるエフェクト
- 3つのループモード
- CV/トリガーによるコントロール
- MIDIとクロック同期
- 録音データの保存とWAVマーカー
- 入力レベルの切り替えとリサンプリング
- 円形ディスプレイとスクロールホイール
- プリロードされたサンプルとループ
- デモ動画
- 技術仕様
商品写真



マニュアルとガイド
Takazudo Modularでは、本製品のマニュアルやガイド記事を作成し、公開しています。以下よりご参照下さい。
RYK Modular公式のドキュメントについて
上記の日本語訳付きマニュアル/ガイドは、RYK Modular公式のドキュメントを元に当店で作成したものです。公式のドキュメントは随時更新されるため、当店の翻訳が最新版に追随できていない場合があります。最新版の翻訳をご希望の場合は、お問い合わせよりお気軽にご連絡下さい。ご用意いたします。
公式の最新のガイド/マニュアルは、以下より参照いただけます。
なお、ファームウェアは当店では配布しておりません。ファームウェアのアップデートとその手順は、RYK Modular公式サイトにて公開されています。
概要
Time Sliceは、単なるループ録音再生の機能に留まらず、録音した素材をエフェクトで加工し、さらにそれをリサンプリングして重ねていくところまでを1台で行える、サンプリングマシン的な性格を持つルーパーです。
このモジュールの構成をおおまかに挙げると、以下のようになります。
4チャンネルのオーディオ入出力と、チャンネルごとの専用バッファ
ステレオのミックス出力
H3000スタイルのピッチシフター
トラックごとのエフェクト(ピッチシフト/ディレイ/リバーブ/ティルトフィルター/wave fold)
内蔵ストレージとUSBストレージへの、WAVマーカー付きWAVファイルでの保存
トラックごとのアサイナブルなCV入力と、トリガー入出力
レトロスペクティブループ、トラディショナルループ、1-shotループの各ループモード
4トラックのピンポン・リサンプリング
MIDIおよびクロック同期への対応
4チャンネルのオーディオI/Oとステレオミックス出力
Time Sliceは、4チャンネル分のオーディオ入出力を備えており、それぞれのチャンネルが専用のバッファを持っています。つまり、4つの素材をそれぞれ独立して録音し、独立して扱えるということです。
それとは別に、ステレオのミックス出力が用意されています。4つのトラックをまとめてステレオで受け取れるため、モジュラーシステム側で4本のケーブルを引き回す必要がなく、ミキサーへの接続をシンプルに済ませられます。
トラックごとにかけられるエフェクト
Time Sliceは、トラックごとに以下のエフェクトを備えています。
ピッチシフト
ディレイ
リバーブ
ティルトフィルター
wave fold
ピッチシフターにはH3000スタイルのものが搭載されています。H3000はEventideのハーモナイザーとして知られる機材で、その系統のピッチシフトをモジュラーの中で使えるという点は、このモジュールの特徴の一つと言えるでしょう。
エフェクトがトラック単位でかけられるという点も重要です。4つのトラックそれぞれに別のエフェクトを割り当てられるため、あるトラックはリバーブで空間を作り、別のトラックはピッチシフトで低いレイヤーを足す、といった使い分けが可能です。
3つのループモード
Time Sliceには、性格の異なる3つのループモードが用意されています。
トラディショナルループモード
一般的なルーパーと同様に、録音を開始し、任意の長さで録音を終えてループさせるモードです。ルーパーとして素直に使いたい場合はこのモードになります。
レトロスペクティブループモード
常時バッファに音を取り込んでおき、演奏した後から遡ってループを切り出すモードです。ルーパーを使っていると、良い演奏ができたのに録音していなかった、ということが起こりがちですが、このモードではその状況を後追いで拾い上げることができます。
1-shotループモード
録音した素材をループさせるのではなく、トリガーに応じて1回だけ再生するモードです。このモードはMIDIキーボードに対応しており、鍵盤で素材をピッチ付きで発音させられます。また、MIDI CCによるモジュレーションにも対応しています。
つまり、録音した素材をそのままサンプラーの音色のように扱えるということです。ドラムのワンショットを鳴らす、録音したフレーズを鍵盤で音階付きで演奏する、といった使い方ができます。
CV/トリガーによるコントロール
Time Sliceは、アサイナブルなCV入力を備えています。任意のパラメーターへCVを割り当てられるため、エフェクトの深さやピッチシフトの量などを、モジュラーシステム側のLFOやエンベロープでコントロールできます。
加えて、各トラックにトリガー入力とトリガー出力が用意されています。トリガー入力は外部からの録音や再生の開始に、トリガー出力は他のモジュールへループのタイミングを送るのに利用できます。ルーパーをシステムのタイミングの中心として扱えるということです。
MIDIとクロック同期
Time SliceはMIDIとクロック同期に対応しています。外部のシーケンサーやDAW、モジュラー内のクロックに対してループを同期させられるため、他の機材とテンポを揃えた演奏が可能です。
前述の1-shotループモードでのMIDIキーボード演奏やMIDI CCによるモジュレーションも、このMIDI対応によるものです。
録音データの保存とWAVマーカー
録音したループは、内蔵ストレージとUSBストレージのいずれにも保存できます。保存形式はWAVファイルで、ファイルにはWAVマーカーが埋め込まれます。
WAVマーカーは、WAVファイルの中に位置情報を持たせる仕組みです。これが埋め込まれることにより、ループの区切りやスライスの位置といった情報がファイル自体に残ります。USBストレージ経由で持ち出した先がWAVマーカーに対応したDAWやサンプラーであれば、その情報も合わせて読み取ることができます。モジュラーの中で作った素材を、通常のWAVファイルとして外へ持ち出せる点は、素材を他の環境で扱う上での扱いやすさに繋がるでしょう。
入力レベルの切り替えとリサンプリング
Time Sliceの入力は、line、euro、hot euroの3つのレベルから選択できます。ラインレベルの外部機材からの入力と、モジュラーレベルの信号のどちらも受けられるため、ギターペダルやミキサー、シンセなどをモジュラーシステムへ取り込む入り口としても機能します。
また、4トラックのピンポン・リサンプリングに対応しています。あるトラックの再生音をエフェクトを通して別のトラックへ録音し、それをさらに次のトラックへ、という形で加工を重ねていく手法です。エフェクトのかかった状態をそのまま素材として固定していけるため、1台の中で音を積み上げていくことができます。
円形ディスプレイとスクロールホイール
Time Sliceのパネル中央には赤い円形のディスプレイが配置されており、その操作にはレトロなスクロールホイールが用いられます。多機能なデジタルモジュールでありながら、ディスプレイとホイールという分かりやすい組み合わせで操作するインターフェースになっています。
プリロードされたサンプルとループ
Time Sliceには、サンプル、ループ、エフェクトがあらかじめ収録された状態で出荷されます。これらはRYK Modularのチームと、ScannerやSound Dustといった協力ミュージシャンによって選定されたものです。
購入後すぐに素材を鳴らして機能を確かめられるため、まず何が出来るモジュールなのかを把握するのにも役立ちます。
デモ動画
以下は、RYK Modular公式YouTubeチャンネルの、Time Sliceデモ動画です。サウンドデモと操作テクニックを通じてモジュールの機能を確認できるので、ぜひご参照下さい。
技術仕様
幅: 26HP
深さ: 25mm
消費電力: 250mA +12V/21mA -12V
RYK Modularについて
RYK Modularはイギリスを拠点として活動するモジュラーシンセメーカーです。
RYK Modularの作るモジュールはユニークでありながら実用的。現在最も注目されているM185は、古典的なシーケンサーをモジュラーで使いやすい形に再構築したものです。また、VectorWaveというFM音源のオシレーターモジュールも秀逸です。

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Time Sliceの紹介は以上になります。
ルーパーでありながら、トラックごとのエフェクト、リサンプリング、MIDIによるサンプラー的な演奏、外部ストレージへの書き出しまでを1台でカバーするモジュールです。モジュラーシステムに録音と再構成の軸を持ち込みたい場合の選択肢となるでしょう。
ご参考になれば幸いです。
