ユーロラック用 フライングバスケーブルの紹介記事になります。
こちらはユーロラックモジュラーシンセ用の電源分配ケーブルです。お持ちの電源のソケット数よりもモジュールが多くてもっと繋ぎたいというような場合に、便利にご活用頂けます。ベースのカラーがブラック、-12Vを示す部分がグレーの、スタイリッシュなケーブルです。
こちらの商品は、5コネクタ版と9コネクタ版の2種類を販売、以下よりご購入頂けます。
商品写真



フライングバスケーブルの機能
このフライングバスケーブルは、電源からの電力供給を、複数のモジュールに分配するためのケーブルです。ユーロラックモジュラーシンセにおいては、コンセントからの電圧をモジュールに供給するために整えた後、各モジュールに分配します。
通常、バスボードと呼ばれる基板を使用して電源を分配しますが、このフライングバスケーブルは、より省スペースで柔軟な配線を可能にします。特に小型ケースや、モジュール数が少ない構成において便利です。
基本的な使い方
このケーブルは、別途電源を供給する機器と併せて使うことを想定しています。このケーブル単体ではモジュールに供給する電圧を作ることが出来ないのでご注意ください。
フライングバスケーブルは、一端のコネクタを電源に接続し、分岐した各コネクタを各モジュールに接続することで使用します。電源付きのケースや電源モジュールからケーブルを伸ばし、複数のモジュールに電源を分配する用途に適しています。
※ ケーブルの付け外しは、必ず電源をOFFにした状態で行ってくださるようお願い致します。
フライングバスケーブルと許容電流
このようなフライングバスケーブルは、バスボードの代わりとなるものです。当店ではバスボードはTakazudo謹製のzudo-busというものを扱っています。このようなバスボードと、フライングバスケーブルの違いは何かについて、軽く触れておきます。
フライングバスケーブルもバスボードもタコ足配線である
まず、バスボード/フライングバスケーブルのいずれも家庭用の電源で使っているような、タコ足配線のようなものです。電源から来る電圧を、ごく単純に各々のモジュールの+12V、-12V、GND等々に分配する、ごく単純な回路です。そういう意味では、基本的な機能に大きな違いはありません。ポイントとなるのは、フライングバスケーブルの場合、銅線の太さが細いため、流れる電流が大きい場合、発熱の可能性があったり、モジュールに十分な電圧が行き渡らない可能性が高いということです。
まず、このフライングバスケーブルに使っているリボンケーブルは、一般的なユーロラックモジュラーシンセサイザーで使用されている、28AWGという規格の太さの銅線であり、断面は約直径0.32mmの円であると考えてください。これはとても細い銅線なので、大容量の電流を流すのには向いていません。ではなぜそのようなケーブルが電源に使われているかというと、元々ユーロラックモジュラーシンセサイザーを安価に作るために、既にある規格のケーブルを使用したという経緯があるようです(参考: Modular Profile: Dieter Doepfer | Sound On Sound)。
フライングバスケーブルの特徴
そして、フライングバスケーブルというのは、その細いケーブルを、複数のモジュールへの電源供給のために使います。このため、繋いでいるモジュールで消費電力の高めなものがある場合は注意が必要です。これは、家庭用のタコ足配線にたくさんの電化製品を繋ぐと危険であるのと同じと考えてください(参考: コレの仕組み | でんじろう先生のはぴエネ!)
ただ、モジュラーシンセで使用される電圧も電流も、家庭用のコンセントから得られる電圧/電流よりも遙かに低いです。そのため、ショートでもしない限り、発火して危険!ということはほぼ起こらないかとは思いますが、繋ぐモジュール群の合計電流の目安としてはおおよそ1A程度を想定しておいて頂けると良いかと思います。限界までフライングバスケーブルで頑張ったときに何が起こるかというと、これはモジュールの作り次第ですが、例えばオシレーターであればピッチが安定しなかったり、デジタルモジュールであれば再起動を繰り返したりという症状が想定されます。そのような状態になったら、電源周りの見直しが必要になるかもしれません。ただ、そういう状態になることがあったのであれば、原因はフライングバスケーブルよりも電源の出力不足によることの方がほとんどでしょう。
話が微妙に電源に逸れましたが、フライングバスケーブルについて言えば、そのように比較的多くモジュールを使う場合、電源からは複数のバスケーブルを延ばす等の工夫が必要です。例えばTipTop AudioのμZEUSという電源モジュールは、おそらくこのような点を考慮し、複数のフライングバスケーブルを接続できるようになっています。
バスボードの特徴
対してバスボードですが、こちらはそのフライングバスケーブルの制限が外れたタコ足配線の回路であると認識してください。まずは銅線の太さはいくらでも太くできるので、繋ぎすぎによる問題ということは起こりにくくなるでしょう。また、たいていの場合はわずかにノイズを低減するちょっとした回路が付いています。その他、ユーロラックでよくあるのが、+5Vの電源を追加するという機能が付いていたりなどすることもあります。ただ、このあたりはバスボードの設計次第です。そして、ノイズが低減するというのも、ノイズになる原因は多種多様なので、盲信できるほどの何かでは無いと認識しておいた方が良いかと思います。
どっちを使うべきか
つまるところの結論、小規模なセットアップだとフライングバスケーブルはコストや手軽さからオススメです。ただし、大規模なセットアップを作る場合は、比較的しっかりしたバスボードを使用することをお勧めします。大きいケースなら、固定されていた方が便利という点もありますしね。
その他、電源の細かい話やセットアップについては、以下の電源入門記事にかなり詳しく書きました。よろしければこちらもあわせてご参照頂ければと。
この商品の開発について
こちらの商品は、Takazudo Modularが台湾のメーカーに製造を依頼し、オリジナルで作成したものです。メーカー曰く、我々のケーブルは中国製のよくある品質にバラツキのあるものとは違って品質が良いので、是非台湾製だと書いてくれとのことだったのでここに記しておきます。
商品仕様
- 5コネクタ版: 1つの入力コネクタ + 5つの出力コネクタ / 約30cm
- 9コネクタ版: 1つの入力コネクタ + 9つの出力コネクタ / 約50cm
- 16ピン(2×8)コネクタ使用
- 28AWG 1.27mmピッチ IDC Flat Ribbon Cable
ユーロラック用 フライングバスケーブルの紹介は以上になります。
ご参考になれば幸いです。