Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、OXI InstrumentsのOXI ONEの紹介/解説記事です。
OXI ONEは、ポータブルな万能シーケンサーです。8Gate/8CV出力とMIDI入出力が行える、モジュラーシステム、MIDI機材を用いたマシンライブ、DTMいずれにもマッチする新しい電子楽器です。
オリジナルのOXI ONEは筐体黒に白パッド、その他にBlack(ブラック)、Magenta(マゼンタ)、Silver(シルバー)の3種の色展開があり、これらはいずれも限定版、当店は全色の取扱いがあります。いずれのカラーの筐体も、素材としてはアルマイト加工されたアルミニウムを用いられており、高い強度と高級感を兼ね揃えた製品です。
こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。
- 商品写真
- OXI ONEガイド
- OXI ONEとはどのようなデバイスか
- 構成例
- ハードウェアならではの良さ
- 優秀なファームウェア
- OXI ONEの特長まとめ
- OXI PipeとOXI Split
- 参考動画
- マニュアル&ファームウェア
- FAQ
商品写真
OXI ONEガイド
まず、OXI ONEの機能はかなり膨大なので、順々に解説を増やして行く予定です。以下に解説記事を用意しておりますので、ご参考にしていただければと思います。
OXI ONEとはどのようなデバイスか
OXI ONEはシーケンサーです。このデバイス単体では音は出ません。このデバイスにある縦8×横16のパッドを使って音階やリズムを打ち込み、他の音楽機材と接続して音を鳴らすためのデバイスになります。
OXI ONEは以下は、以下を介して、他の音楽機材と接続することが可能です。
- 8つのGate出力ジャック
- 8つのCV出力ジャック
- Clock出力ジャック
- Clock入力ジャック(CV入力ジャック兼用)
- MIDI出力ジャック(TRSケーブル)
- MIDI入力ジャック(TRSケーブル)
- USB-C
- Bluetooth
OXI ONEは、内部的には基本4トラックの構成ですが、Multitrack Mode等を使用すれば、1トラックを更に細かく分岐させることができる作りになっています。これらトラックにて作り出されるシーケンス情報を自由にGate出力/CV出力に、そしてMIDIチャンネルにルーティングさせることが可能です。
つまり、これだけでかなり膨大な量のシーケンス情報をコントロール可能であり、モジュラーシステム環境にも、MIDI機材を用いたマシンライブのような環境にも適合させることができるシーケンサーになっています。
さらに、USBケーブル/BluetoothでPC/Mac、iPadに接続することも可能です。この場合、DAWとMIDIシグナルを送受信できるため、ソフトシンセ環境に自由で直感的なコントロールをもたらします。これは、ピアノロールが画面の外に出てきて物理デバイスになったような感覚に近いと言えるでしょう。しかし、ピアノロール的な機能はOXI ONEの機能の一つでしか無く、OXI ONEの利用用途は非常に多様です。
構成例
OXI ONEがたくさんの入出力を備えているからと言って、無理にその全てを使う必要はありません。一つのシンセのシーケンスをコントロールする、ただそれだけのために使うのでも十分に便利に利用できます。まずはそのような使い方から初めてみることをお勧めします。
ですが、やろうと思えば、8つのGate出力/8つのCV出力、そしてMIDI出力という豊富な接続インターフェースを持ち合わせているため、これらをフルに使い、システムを構成する全ての機材をOXI ONEでコントロールするようなことも可能です。
以下は、多数のモジュラーをOXI ONEでコントロールする構成例です。
この例についてざっくり解説します。
5つのパーカッションモジュールにGateとCVを
OXI ONEは8つのGate出力を持っているため、複数のモジュールにGateを、それも個別に送ることが可能です。OXI ONEは4トラック構成ですが、トラックのモードとしてMultitrack Modeを選べば、1トラックの内に8つのサブトラックを持つことが出来ます。これは複数のパーカッションモジュールを包括的にコントロールするのに非常に適しています。
また、パーカッション系モジュールのDecayやTuneなどのパラメーターがCVによるコントロール可能なのであれば、Modulation Laneを利用することで、CVのシーケンスも柔軟に可能です。
Modulation Laneは、上動画のように、ステップ毎のCV値をパッドで設定する機能です。縦フェーダーが横に16個並んでいるような状態に近く、ループ範囲も設定することが可能なので、非常に自由度高くCVシーケンスを作ることが可能です。
このようなGate出力、CV出力は、あらかじめOXI ONE内で決まっているわけではなく、どの出力に何を割り当てるかは、ユーザーが自由に設定できます。
MIDI入力があるシンセにはMIDIで
MIDI入力にてコントロールできる機材には、MIDI出力ジャックからTRSケーブルを介してコントロールすることが可能です。
Takazudo Modularで取り扱っているモジュールの中で言えば、以下がそれぞれMIDI TRSによるコントロールが可能です。TRSケーブルをOXI ONEと繋げ、OXI ONE上ではトラックに対してMIDIチャンネルを設定すれば、このようなMIDIでコントロールするタイプのモジュールを柔軟にシーケンス可能です。
GateもCVもMIDIも
そのようなMIDI出力は、もちろんGate出力/CV出力と同時に行うことが出来ます。MIDI Noteでピッチと発音タイミングをコントロール、パラメーターはMIDI CCで制御。併せてCVによるコントロールも行うことが可能です。
CVとしては、トラックで作る音の高さを1V/Octで出力させることができます。ピッチと発音タイミングが一つになっている、クラシックなピアノロール的にOXI ONEを使うことも可能ですが、発音タイミングとピッチを別のトラックでコントロールすることで、モジュラーシステムらしい、自由度の高いシーケンスを組むことも可能です。
ほか、Clock入出力を備えているため、他のシーケンサーや、複数のOXI ONEでの同期も可能。受け取ったMIDIをCCに変換して出力したり、シーケンス位置をGateを受けてリセットできたり、Euclidian Rhythm Generatorを備えていたり、組んだシーケンスを部分的に確率で変化させたり、様々なシーケンサーが持ち合わせている多様な機能が、これでもかというほどに、このOXI ONEには実装されています。
ハードウェアならではの良さ
ここまでで書いてきたような、MIDI機材との連携、GateやCVの設定ですが、こういったことはかなり億劫だなと感じることは無いでしょうか。例えば、パソコンとDAWがあれば、いくらでもMIDIの出力は自由にできますから、それはもう自由さと言えばパソコンにかなうものは無い。ただし、それを設定しようと頑張るには腰が重いという具合です。筆者Takazudo自身はそういうことをよく感じます。その結果モジュラーシンセの直感的な部分が好きで、自分で売るぐらいまでになっているとも言えます。
このOXI ONEは、そのような設定の面倒さは、ある程度あると思います。ですが、別にこのOXI ONE一つに、前述したあれもこれも全部やらせるというのは、使い方の一つの例に過ぎません。私個人で言えば、だいたい1つか2つのシーケンスを鳴らすためだけに使用することが多いです。
複雑な構成を組むことも可能であるが、そのようにシンプルな使い方でも十分に使えるというところが、このOXI ONEの良さの一つと言えるでしょう。そして、そのうえで複雑なことをしたいと考えた時でも、パソコン上で細かい設定をするよりも遥かに直感的に、用意 されたノブとボタンで設定を行えるというのは、設定を行うためのインターフェースが、物理デバイスでそこにあるという、ハードウェアシーケンサーならではの良さがあると言えるでしょう。
優秀なファームウェア
OXI ONEのシーケンス機能は、OXI ONE内蔵のソフトウェアで制御されます。このソフトウェアはバージョンアップが精力的に行われ続けており、新しいモードの追加や、既存機能の改善が行われ続けています。
OXI ONEの4つのトラックには、それぞれ以下6つのモードのいずれかを選択することがきます。
- Mono
- Poly
- Multitrack
- Chord
- Stochastic
- Matriceal
横軸が時間軸、縦軸がピッチを表すMonoモード/Polyモードを基本とし、8つのMonoモードトラックを一つに束ねたかのようなMultitrackモード。コードの指定に特化したChordモード、確率的なシーケンスを作るStochasticモード、そしてMatricealモードという、アイデアに溢れた豊富なモードが用意されています。
個人的には、このOXI ONEの魅力は、この優秀なソフトウェアと、そのアップデートに対する積極的な姿勢が大きくあるのに間違いないと考えています。OXI ONEという機材そのものは、8×16のパッドと、4つのエンコーダーノブを中心とする、シンプルな電子端末でしかないのです。その機械をユーザーにどう使わせるかは、ひとえに内蔵されているソフトウェアがどれだけ使いやすいかというところに依存していると言えるでしょう。
OXI OENは、このパッドとノブを使い、こんなに自由に、そしてパフォーマンス性高くシーケンスを組み立てることができるのだということを、我々に示してくれます。
OXI ONEの特長まとめ
OXI ONEの持っている機能の全量は、実際に突っ込んで使い込んでみないと把握すること自体難しいかと思われます。以下は、OXI InstrumentsのWebサイトにて掲載されている、OXI ONEの特徴をざっと翻訳したものになります。
何かしら音楽機材を買ったけど、特に自分は鍵盤が弾けるわけでもないし、もっと直感的に音を出したり出来ないものかという気持ちを抱えている方、多数のモジュールを同時にうまいことシーケンス出来ないかと考えている方、DTMをやっているがなんだかピアノロールにポツポツMIDIノートを置くのがしっくりこない方、以下リストで気になる機能がある方には是非OXI ONEをおすすめしたいです。
- 4つの自由な構成が可能なシーケンサー
- ハーモナイザー搭載
- 高度なコードエンジン
- 8つのLFO
- シーケンスの部分的なループ
- アルペジエーター
- 自由なルーティング可能な8つのCVと8つのゲート出力
- 高度なMIDI&CVマトリックス
- 自由なモジュレーション作成
- 最大32の独立したモジュレーションレーン
- CV出力はLFO/ADSR/モジュレーションカーブから選択可能
- 40以上の内部モジュレーション
- 多くのランダム化オプション
- ユークリッドおよびドラムパターンジェネレーター
- 高速なプロジェクト読み込み
- 高度なソングアレンジャー
- パフォーマンス向けキーボードレイアウト
- MIDI USBホスト
- Bluetooth接続可能
- バッテリー駆動
- コンパクトでスタイリッシュ
- メタリックな材質で堅牢なボディ
OXI PipeとOXI Split
OXI ONEには、別売りのアクセサリーとして、OXI PipeとOXI Splitがあります。こ れらはそれぞれ、以下のようにOXI ONEの機能を拡張するものとなっています。
OXI Pipeは、OXI ONEの背面についている入出力を、ユーロラックフォーマット、6HPに収めたパッシブモジュールです。これが無くとも普通にOXI ONEはモジュラーシンセと連携できますが、入出力ジャック群を、モジュラーシステムの中に並べたい場合、このOXI Pipeは便利です。
OXI Splitは、複数の機材にMIDI出力を行いたい場合に使用します。OXI ONE自体は、MIDI OUTは一つのジャックだけしかありません。なので、例えばこの記事に列挙した以下3つのモジュールを、同時に一つのOXI ONEでコントロールすることは出来ません。(接続先の機材にMIDI THRUインターフェースが備わっていない限り)
このような時、このOXI Splitを介せば、3つの機材に対し、MIDI出力を行うことが可能になります。
参考動画
OXI InstrumentsのYouTubeチャンネルでは、OXI ONEの使い方を紹介する動画がたくさん用意されています。OXI ONEの雰囲気を知りたい方は、是非チェックしてみると良いでしょう。
私TakazudoがYoutTubeに公開しているセッション動画でも、OXI ONEを使っているものが多数あります。2点ほど、これはかなりOXI ONEを使っているという動画を紹介しておきますので、ご興味あればご参照頂ければと思います。
ほか、Takazudoチャンネル上でOXI ONEを使っている動画を、以下プレイリストにまとめています。こち らもよろしければ参考にして頂ければと思います。
マニュアル&ファームウェア
OXI ONEのマニュアル(英語のみ)は、以下Webページにて公開されています。
FAQ
これまでにOXI ONEについて、購入前にご質問頂いた内容を以下にまとめております。ご検討時のご参考にして頂ければと。
Q: どのカラーが良いのでしょうか?
まず、いずれも同じ部品で作られており、異なるのは筐体の色とパッド部分です。なので、基本的にはお好みで選んで頂いて良いかと思います。例えばお持ちの機材が黒のものが多ければBlack Editionにするなどです。
各モデルで最も作りが異なるのはパッド部分です。4モデルの写真をよくよく見てもらうとおわかり頂けると思うのですが、4つのモデルの中で、Black Editionのみ、パッドの大部分を黒の塗装で覆う加工がされています。これによりパッドの光る部分の面積が小さくなるため、色の識別は他のモデルよりもしづらいかもしれませんが、逆に他のモデルであると、光っているパッドの周囲のパッドも少し明るくなるため、Black Editionの方が比較的明るい環境でもパッドの明暗を区別しやすいか?ぐらいでしょうか。とは言え、ソフトの設定でパッドの明るさを調整することが可能なので、そんなに気にするポイントでも無いかもしれません。
私Takazudoは通常版とBlack Editionを両方使っていますが、お好みで良いのではないかという感想です。以下に、異なる明るさで通常版とBlack Editionの明るさの比較写真を掲載しておきますので、ご参考にして頂ければと思います。