
Takazudo ModularにてOXI ONEを取り扱わせていただくことになったので、OXI ONE解説をテキストでも書いていきたいと思って書いたのがこの記事です。動画も撮る予定で準備中ですがひとまず。日本語のリソースを探しているという声もいくつかいただき。複数回に渡るボリュームなので連載になります。
公式のマニュアルは以下で、英語のみでの提供です。
この記事では私なりに噛み砕いた内容にまとめ、初めての人が使い方をざっくり理解できることを主眼に置いて書いてきます。なので、一部細かい機能の説明は省いているため、全機能を詳細に知りたい場合には、本家マニュアルをご参考いただければと🙏
なお、この記事はOXI ONEファームウェアバージョン3.9.3時点で書いたものであり、将来的には一部内容がアップデートされている可能性があります。(気付いたら更新しますが)
また、OXI ONEで分からないことがあったら、以下でご案内しているTakazudo ModularのDiscordで聞いていただければ、基本的のことについてはお答え出来るかと思うので、こちらお気軽にご参加いただければと👌
OXI ONEってこういうやつ
そんなわけでOXI ONEの解説を進めていきます。
……とその前に、OXI ONEとはなんぞやというのを軽く。
OXI ONEはこちらの電子楽器です!
シーケンサーで、これ自体はMIDIやgate/CVを連続的に変化させることに特化したデバイスです。要するにこれ単体で音が出たりはしません。

通常のバージョンはパッドが白、限定黒バージョンはパッドが黒です。
以下メルカリShopsで販売させていただいております💁♂
私個人は撮影のため両方あけて使ってみましたが、白バージョンの方が各パッドの色が見やすいと感じました。ただ、黒の方がカッコいいです(主観)。黒の方は限定版らしく、いつまで売っているかはわからないので、好みで決めてよいかと考えてます。中身は全く同じです!
Takazudo的OXI ONE雑感
メルカリShopsの商品概要に色々と紹介を書いたので、そちらも見てもらえればと思いますが、この商品を販売してから、その後も解説を作るためにかなり突っ込んでOXI ONEを日々触ってきました。また、売り出してから色々と質問を頂くことがあり、そういうのに答える中で自分もOXI ONEについて詳しくなっていったみたいな側面もあります。
その上で改めて感じていることを軽く書いておくとすると、これは何かしらのモジュラーと比較した場合、かなりたくさんのことができる、複雑なタイプのデバイスだなというところでしょうか。モジュラーシンセの良いところって、こう、ツマミとかスライダーをちょちょいと動かすだけでも音が変化して楽しいと言うのがあると思うんですよね。複雑な機能を持った多機能なものももちろんありますが。
それでシーケンサーにしても、そんな長いステップのでは無く、8ステップ足ら ずしかないのに、こんな色々なことができるのかみたいな発見とかがあると思うんですよ。自分はそういうシンプルなものを色々組み合わせて色々と遊ぶのもとても楽しいと思っておりまして。そういうものと比較すると、このOXI ONEはなかなかに複雑だなというのは、まずあります。
ですが、その複雑さも、「なんかめんどくさいからもういいや」とまではいかないぐらいの塩梅を保ってるのがこのOXI ONEかなと個人的には思ってます。基本は左から右にアクティブなタイムラインがポツポツ移っていって、光ってるパッドに重なったらgateやらMIDIノートが出るというだけというところは変わらないので。
それと、モジュラーな人が、OXI ONEいらんかなって感じるかもと思うポイントとしては、Y軸がピッチで、X軸がタイムラインを示すというところかと思うんですよ。

なんでこれがいらんかなとTakazudoが感じる理由としては、自分がモジュラーのこといいなって思った理由として、ピッチのコントロール(CV)と発音のタイミング(gate)を分けてシーケンス出来るというところが大きかったんですよね。そういう観点からすると、「あーなんかよくあるピアノロール的なシーケンサーみたいなやつなのね。にしては高ェな」って感じるのが普通かと思うんですよ。
そんな人がいたら一応お伝えしたいのが、このOXI ONEの(Takazudo個人的な)メイン機能はMultitrack ModeとModulation Laneだというところですかね。


モジュラー観点からすると、8つのgateと8つのCVを出せるわけなんですが、ある程度の長さのCVのコントロールをしようとすると、かなりたくさんのフェーダーやツマミがあるモジュラーを使うことになってしまいませんか? まあそれはそれでいじってて楽しいんですが、上記写真のModulation Laneは、見たまんまの機能なんですが、光ってる部分の高さがCVの電圧の高さに相当します。この横の分かりやすいタイムラインみたいなCVのコントロールが自分は結構好きですね。8ステップとか4ステップみたいに短くもできますし。
このModulation Laneを8個とか同時に使えて、そしてgateのシーケンスも8個同時に使えるってかなり高機能じゃないです……?
そんなわけで、解説のためにOXI ONEずっといじってたら、なんかこれメインでいいかなと思っているという、そういうテンションで解説も書ききりたいと思って書いて参ります💪
前提
ひとまず、解説は基本MIDI視点で書きます。なぜならMIDIの方が色々な要素があって、それを設定できる箇所がOXI ONEの各所にあるからですね。それに、ここまででモジュラー視点多めで文章を書いてきましたが、DTMから入っていきたいという人にも知ってほしいというのもあります。
DTMな人でもモジュラーの人でも、いじってて演奏してる感覚を得られるのではと思ってます。これでソフトシンセを鳴らすだけでも、新鮮な視点を得られるんではと自分は考えてます。たぶんそういう楽器的な要素もある程度意識して作られてそうかなとも。
まぁそんなわけでMIDIベースで書いていきますが、モジュラーの人は、まぁだいたいのMIDIで出せるアレコレ(VelocityだのCCだの)が、CVとgateとして出せるんだなと思って読んでもらえれば大丈夫です。一通り説明した後、その解説を入れます。こう、後ろのジャックからはCV/gateを出力できて、どこに何を出すのかを設定できる感じです。

track選択/再生と停止
まず初めに理解したいのは、OXI ONEは4trackのシーケンサーというところですね。
それぞれのtrackについて、trackのtypeを選ぶことができるんですが、それは順に解説していくのでひとまず置いておくとして、ひとまず最もシンプルなMono modeをそれぞれのtrackで使うという形で解説を進めていきます。4trackのmono、つまり単音のシーケンサーです。
そしてMono modeというのは先程書いた、X軸をタイムライン、Y軸をピッチとして扱い、1stepには1つのnoteしか置けないモードです。
この4つのtrackは、この数字が書いてあるパッドを押すと選択することができ、右側のパッド群(以降gridと呼びます)が押したtrackの内容に切り替わります。
1track目……

2track目……

3track目……

4track目……

……という感じですね。
track毎に色々設定できるんですが、複数を同時に操作はできないです。この1234のパッドを押すことで、操作したいtrackを選んで、そのtrackの内容を操作〜という形です。
右側のgridを押すとそのパッドをON/OFF切り替えることができ、以下のPlayボタンを押すと、timelineが左から右に動き出すという感じですね。

Stopボタンを押すとストップです。
横にある⚪のレコードボタンは追って解説しますが、まぁ想像通り、再生に合わせていじったやつが記録されるというものです。
それとついでに、その横にあるShiftボタンはこの後すぐ使うので、これがShiftボタンだということを覚えておいてください。
4つのエンコーダーとtrackの設定
OXI ONEで各種パラメーターをいじるのに使うのが、この4つのエンコーダーです。

ここで、shiftを押しながらtrack1ボタンを押してみると、ディスプレイの内容が下記のように「SEQ Setup」に変化します。

ここでtrack1の設定をするのです。
OXI ONEで何かを設定するときは、だいたいこの 画面になります。そして、この画面に並んでいる4つの項目はエンコーダー4つと対応してます。左から順に、エンコーダーを回すと変化するのは以下です。
- 1つ目のエンコーダー: Global MIDI Channel(
Ch
) - 2つ目のエンコーダー: MIDI Output(
Out
) - 3つ目のエンコーダー: Program Change(
PC
) - 4つ目のエンコーダー: Sequencer Mode(
Type
)
ここで重要なのは1つ目のMIDI Channelと4つ目のSequencer Modeですかね。2はMIDIの出力先、3はMIDIのProgram Changeの設定で、MIDI機器に合わせて必要ある場合に変更することになるかと思いますが、モジュラー/USBでDAW等と接続して使用する場合にはおそらく変える必要はないかと思います。
エンコーダーをぐるぐる回すと、回しているエンコーダーに応じたパラメーターを変更することができます。
この記事では1つ目のGlobal MIDI Channel(Ch)と、4つ目のSequencer Mode(Type)について解説します。
Global MIDI Channel(Ch)
まずはGlobal MIDI Channel(Ch)です。モジュラーの人は読み飛ばしてもらってOKです。
デフォルトの状態では、MIDI Channel(Ch)は4つのtrackについて、以下の様に設定されていることが確認できます。
- 1つ目のtrack:
1A
- 2つ目のtrack:
2A
- 3つ目のtrack:
3A
- 4つ目のtrack:
4A
OXI ONEのMIDI出力にはA/B/Cの3ポートあり、それぞれのポートは16Channelです。エンコーダーを回していくと、数字部分は16まで上がって「16A」となり、その次は「1B」。引き続き回していくと「16B」まで上がり、その次は「1C」。また回していくと「16C」まで上がってストップです。
複数のMIDI機器を鳴らしたいなどと思っているわけではないならば、とりあえずAだけ使えば大丈夫です。Channel 1、Channel 2、Channel 3、Channel 4でMIDIを送れるという感じですね。
Oxi Split
OXI ONEには一つのTRS MIDI outジャックしか用意されていません。なのでそのままでは複数のMIDI機器を接続することができませんが、OXI ONEのアドオンであるOxi Splitを使うと、TRS MIDI outを、複数のMIDI outに分岐させることが可能です。
Oxi Splitを使う場合は、configからMIDI → OXI Split selection → ENABLEDの設定を行う必要があるのでご注意ください。
Sequencer Mode
4つめのSequencer Mode(Type)では、そのtrackのシーケンサーのタイプを選ぶことができます。
