Meng Qi: DPLPG紹介

2023/11/06 Author: Takazudo

Takazudo ModularにてMeng Qi(孟奇)氏の商品を取り扱わせていただくことになりました。その第一弾としてDPLPGというモジュラーを入荷したので、その紹介記事となります。

個人的にこのDPLPGというモジュールは非常に好んで使っており、誰もが持っていて良いものでは?と思っているので、取り扱わせていただいて嬉しい限りです。

まずはメルカリShops上での商品ページはこちらになります💁‍♂

DPLPGとはどういうモジュール?

このモジュールを端的に言うと、以下でしょうか。

  • 2チャンネルのLow Pass Gate
  • ツマミは無し、InputへのLow Pass Gateのかかり具合をCV入力で制御
  • 2hp(!)で浅いモジュール

Low Pass Gateとは「パーカッシブで弾力のある」みたいによく表現される音を作る、フィルター的なものです。直接使ったことがなくても、聞けば「あぁこういう感じ」って感じられる方は多いかと思います。Low Pass FilterとVCAに同じエンベロープをかけると、似たような効果を得られます。

技術的なことは詳しく解説できるほど詳しくないので割愛しますが、Vactrolという部品を使ってこのような音を作ることができるみたいです。このLow Pass Gateという言葉には色々背景があるので、興味がある方は調べてみると面白いと思いいます。

Low Pass Gateをかけた音はこんな音

DPLPG理解のため、DPLPGの特徴が分かるようなデモ動画を作りました。 細かい話はさておき、ひとまずこちらをご覧いただければと。

この動画では、普通にVCAを使って音量を減衰させた場合と、DPLPGを使った場合を交互に切り替えています。

オシレーターはExpert SleepersのDisting EXです。Disting EXは多くの機能を持つモジュールで、その機能の一つ、Macro Oscillator(Mutable Instruments Braidsのクローン)を4音鳴らし、それぞれにLow Pass Gateをかけています。最後にDelay/ReverbなMake NoiseのMimeophonをかけています。

その他、使っているモジュール等は以下です。

OXI ONE WhiteとBlackの写真

ほか、Takazudoがアップロードしているセッションだと以下でもDPLPGを使っているので、併せてざっと聞いてみてもらえるといいかもしれません。

コンパクトでシンプル

このモジュールが良いのは、なんといっても2チャンネルも使えるのに2hpという超コンパクトであるという点でしょう。色々多機能なローパスゲートはそこそこお値段もするんですが、このサイズでこの価格なら、とりあえず何かローパスゲートを試してみたいなと思う方に最適ではないでしょうか。ケースの余った箇所に入れられるお手軽感があります。

機能としては一つもツマミが無いので、ボリュームやCVの効き具合を調節することはできませんが、その辺りは他のシンプルなmixerや、attenuatorと併せて使うのが便利です。

仕様

  • 2hp
  • 2チャンネルのローパスゲート
  • チャンネルごとにinput/output/CV controlの3つのジャック
  • パッシブモジュール(電源不要)
  • 深さ23mm

Low Pass Gateについてもっと詳しく

Low Pass Gateという言葉には色々背景があると書きましたが、その歴史的な部分については、以下にとても詳しい記事があります。West CoastスタイルとかBuchlaとか、モジュラーをやっていると年中目にする言葉なのですが、そのあたりの解説も以下でされていますので、ご興味ある方は翻訳にでもかけつつ眺めてみると良いかも知れません。

その他参考動画

その他、YouTube上でDPLPGの参考になりそうな動画をいくつか見つけたので、こちらも貼っておきます。

付属品

  • ネジ
  • Meng Qiステッカー

Meng Qi(孟奇)氏について

Meng Qi(孟奇)氏は、中国在住のミュージシャン/シンセサイザーデザイナー/教師です。個人として各種の素晴らしい電子楽器を作成しています。

以下は本製品に同梱されているステッカーで、ここに書かれているメッセージは、楽器に興じることの素晴らしさを感覚的に感じている人には共感できるものではないでしょうか。

ステッカー写真

As a musical instrument designer, I'm expecting instruments could enable us to lead a life that is inviting, with characters of instruments corresponding to some certain parallels in our lives.

In this life can we indulge, where chaos are controlled as well as harmonies; some parts are continuous while some can be quantized; all the time we are surprised by daily wonder and also see results come to us as they're supposed to; science is respected as core, yet we talk through intuition.

This life being diversified, free, but never too obscure, we learn through practice though distinguish by expression. And that is good experiences to be entirely immersed in.

Meng Qi

音楽機材のデザイナーとして、私は機材が我々のLife(人生/生活)ををリードする存在になることを期待している。それは機材の個性が、我々のLifeの中の何かと共鳴し、自然と発生するかのように。

このLifeにおいて我々は興じよう。混沌がハーモニーのようにコントロールされ、一部はただ連続性があるだけであるかと思いきや一部やクオンタイズされ、いつだって我々は日常の中にある出来事に驚かされたり、起こるべきことが起こるのを体験したりする。そこには科学がコアとして尊重されるが、我々は直感を通じて会話をする。

このLifeは多様で自由であるが、決してとりとめのないものなどではなく、我々は繰り返し経験を積み、表現を通じて他と異なるものを見出していく。これは完全に没頭できる素晴らしい体験である。

Meng Qi

Takazudo訳

電氣美術研究會

オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

電氣美術研究會

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。

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