Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、Meng Qi(孟奇)氏のWingie2というレゾレーターの紹介/解説記事です。
Wingie2は、モジュラーシンセではなく、これ単体で動作するスタンドアロン型の音楽機材です。周りの音やオーディオ入力に対して、様々なレゾナンス処理を行うことのできるものなのですが、レゾネーターという存在を、一つの楽器として仕上げられたような、特に音楽知識がなくても音を楽しめる機材になっています。
こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。
- Wingie2とは何?
- こんな音がします
- マニュアルとファームウェアのアップデート
- そもそもレゾネーターって何?
- Wingie2はこういうレゾネーター
- 各部説明と注意: 前面
- 各部説明と注意: 背面
- とりあえずなにか鳴らしてみる
- 4つのモード
- 1. Polyモード(白)
- 2. Stringモード (緑)
- 3. Barモード(赤)
- 4. Caveモード(紫)
- 内部的な音量調整
- MIDIによるコントロール
- その他の機能
Wingie2とは何?
Wingie2は、Meng Qi氏が開発しているスタンドアロン型のレゾネーターです。
ひとまずレゾネーターと呼ばれるものが何をしているのかと言うと、これは入力信号の特定周波数付近の音を際立たせるような音響処理を行う装置のことです。実際にはその処理には多様なバリエーションがあるため、そのような音響処理を行う機材をカテゴライズする時に用いられる言葉です。
以下はものすごいシンプルなレゾネーターのイメージです。際立たせる周波数を コントロールするツマミがついていたとして、例えばホワイトノイズのような、広い幅の周波数に分布する音を入力したら、選んでいる周波数付近の音が持ち上げられ、それ以外の部分が減衰された音が出力されるという具合です。
Wingie2はこのレゾネーターの一種ですが、このWingie2は、レゾネーターとして様々な音楽的な処理を行うことが出来るように設計されており、レゾネーターを楽器として仕上げたようなデバイスと言えます。
Wingie2には、その前面に鍵盤のボタンがついており、このボタンを押すことにより、直感的な操作で音域を調整することができます。そして、オーディオ入力先として、LINE Inジャックより受けるオーディオ入力、もしくは内蔵マイクによるデバイス周囲の音を選択することが出来ます。レゾネーター処理には4つのモードが用意されており、それぞれ個性的な音響効果を生み出します。
また、MIDI TRSジャックよりMIDI入力を受け、ピッチを始めとする多くのパラメーターを外部からコントロールできるようにもなっています。このように、ガジェット的に気軽に音を楽しめる要素も持ち合わせつつ、ガッツリ楽曲制作にも使えるような機能性も備えているのがこのWingie2です。
こんな音がします
ひとまず、色々説明するよりも音を聴いてみたほうが早かろうということで、Takazudoの方でWingie2を鳴らしている動画を3つほど紹介します。
1. Wingie2で付属のマイク入力をオーディオソースとしたもの
1つ目は、Wingie2がとりあえず届いたので、色々とTakazudoが機能を試している動画です。
こちらの動画では、Wingie2のオーディオソースとしては、ずっとマイクからの入力を使用しています。Wingie2の前でビニールをくしゃくしゃさせてみたり叩いたり等して、それがレゾナンス処理を行うオーディオソースになっています。Wingie2にはシーケンサーであるOXI ONEからMIDIを送り、ピッチのコントロールも行っています。
後ろで鳴っているのは、Instruo Lúbadhで、サンプリングされた音をループさせており、こちらはWingie2には接続していません。
2. Polyモードを使ったセッション
2つ目は、ドラム(kick + hi-hat)のオーディオに対して、Wingie2を通している動画です。
この動画でオーディオソースになっているのは以下の2つです。
このうち、Lúbadhはパッドっぽい音をずっとループさせているだけで、あとはkick+hatsの音をWingie2に通しているのみであり、他に何かしらのオシレーターを鳴らしているわけではありません。このセッションにおけるWingie2は、ずっとPolyモードで使用しています。
3. Wingie2の各種モードを使ったセッション
3つ目は、ドラム類(kick +hi-hat + clap + cowbell)のオーディオ出力を、Wingie2のオーディオソースとしている動画です。
こちらは、Erica Synthsのドラム系音源をOXI ONEで鳴らし、その出力をまとめてWingie2に通しています。その結果にdelay/reverbを掛けており、それ以外にオシレーター類はありません。
このセッションではWingie2のモードを順々に切り替えています。明確なトーンがある感じの音源はカウベルとWingie2のみです。
ひとまず、Wingie2を使うとこういうアンビエンスな雰囲気とでも言うんでしょうか。そういう音を作ることが出来ます。
マニュアルとファームウェアの アップデート
このWingie2はArduinoをベースにして作られており、そのファームウェアは以下のGitHubのページにて、オープンソースのプロジェクトとして公開されています。
届いたばかりのWingie2には、古いバージョンのファームウェアががインストールされている可能性があります。新しいバージョンのファームウェアでは機能の改善や追加が行われており、このページの解説も、執筆時点の最新バージョンであるv3.1に合わせて書かれています。混乱を避けるためにもまずは最新版のファームウェアをインストールすることをおすすめします。
ファームウェアのインストール方法は、以下ページにて案内されています。
なお、このページの内容は、これも上記リンク先からダウンロードできるv3.1の英語版マニュアルの内容を参考にして書かれています。
このページの解説は、Wingie2の基本的な操作理解に主眼を置いて書かれており、すべての機能を解説しているわけではありません。より詳しい情報を知りたい方は、オリジナルのマニュアルをご参照下さい。