Meng Qi: Pe2紹介

2023/12/30 Author: Takazudo

Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、Meng Qi(孟奇)氏のPe2というパッシブトランスフォーマーモジュールの紹介/解説記事です。

モジュラーシステムの出力をスピーカーやオーディオインターフェースに繋げたい方、もしくはモジュラーシステム外部からの入力をモジュラーへと渡したい方、いかがでしょうか。ほか、なぜか分からないがサーーーというノイズがのってしまう方にもオススメです。

こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。

Pe2とはどういうモジュール?

Pe2(Please Exist2)は、アンバランス接続からの入力をバランス接続の出力に変換。もしくはその逆の、アンバランス接続の入力をバランス接続の出力へと変換する、トランスフォーマーモジュールです。以下のジャックを持ちます。

  • 2つの3.5mm アナログ入出力
  • 2つの6.35mm(1/4インチ)バランス入出力

そして、グラウンドループ起因で発生するハムノイズを取り除く、グラウンドリフトスイッチ付きです。

バランス接続からアンバランス接続への変換

Pe2の基本的な利用方法としては、モジュラーシステムの出力を、スピーカーやオーディオインターフェース等に送りたい時に使用します。

モジュラーシステムで一般的に使用されているパッチケーブルは、モノラルのTSケーブルであり、これはそのままスピーカーやオーディオインターフェースに繋げないことが多いです。大抵のスピーカー、及びオーディオインターフェースで基本的に採用されているのは、バランス接続による入力であり、TSケーブルはこのままそこには挿せません。

そんなわけで、モジュラーシンセを使ってシステムを組んだものの、スピーカーやオーディオインターフェースのジャックは太いな?どうやって繋げば良いの?と思った人が使うと良いのがこのモジュールです。

図:アンバランス接続��からバランス接続へ

Pe2はその、アンバランス接続からバランス接続への変換をしてくれる、パッシブ(電源不要)のモジュールです。

アンバランス接続からバランス接続への変換

また、このPe2は双方向のトランスフォーマーなので、その逆である、バランス接続からアンバランス接続への変換も可能です。マイクや別の音楽機材からの入力を、モジュラーに渡したい時にも同様に使用できます。

図:バランス接続からアンバランス接続へ

グラウンドリフトスイッチ

Pe2についているLiftスイッチをオンにすると、グラウンドループに起因するハムノイズを解消してくれます。

それって何?と思う方は、このグラウンドリフトスイッチの効果がわかるデモを以下に用意したので、ヘッドホン等をつけてこちらを見て頂けると、それがどのようなものなのか理解できるかと思われます。

この種のノイズが発生する原因は様々ですが、例えば異なる電源に接続している機器同士を接続すると、その電位差により生じることがあります。

デモでは、音源としているモジュールとオーディオインターフェースは別々のコンセントより給電されているのが原因なのか、このような背景ノイズのような音が発生しているのですが、Pe2の機能によりこれを解消出来ていることを確認できます。

一応一点注意点をお伝えしておくと、ハムノイズの発生原因は一つでは無いので、このPe2による処理が必ずしもハムノイズを取り除いてくれるとは限らないという点にはご注意下さい。

その他

見た目がかわいかったので入荷しました。宇宙!

仕様

  • 幅: 6HP
  • 深さ: 45mm

Meng Qi(孟奇)氏について

Meng Qi(孟奇)氏は、中国在住のミュージシャン/シンセサイザーデザイナー/教師です。個人として各種の素晴らしい電子楽器を作成しています。

以下は本製品に同梱されているステッカーで、ここに書かれているメッセージは、楽器に興じることの素晴らしさを感覚的に感じている人には共感できるものではないでしょうか。

ステッカー写真

As a musical instrument designer, I'm expecting instruments could enable us to lead a life that is inviting, with characters of instruments corresponding to some certain parallels in our lives.

In this life can we indulge, where chaos are controlled as well as harmonies; some parts are continuous while some can be quantized; all the time we are surprised by daily wonder and also see results come to us as they're supposed to; science is respected as core, yet we talk through intuition.

This life being diversified, free, but never too obscure, we learn through practice though distinguish by expression. And that is good experiences to be entirely immersed in.

Meng Qi

音楽機材のデザイナーとして、私は機材が我々のLife(人生/生活)ををリードする存在になることを期待している。それは機材の個性が、我々のLifeの中の何かと共鳴し、自然と発生するかのように。

このLifeにおいて我々は興じよう。混沌がハーモニーのようにコントロールされ、一部はただ連続性があるだけであるかと思いきや一部やクオンタイズされ、いつだって我々は日常の中にある出来事に驚かされたり、起こるべきことが起こるのを体験したりする。そこには科学がコアとして尊重されるが、我々は直感を通じて会話をする。

このLifeは多様で自由であるが、決してとりとめのないものなどではなく、我々は繰り返し経験を積み、表現を通じて他と異なるものを見出していく。これは完全に没頭できる素晴らしい体験である。

Meng Qi

Takazudo訳

電氣美術研究會

オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

電氣美術研究會

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。

パッチケーブルや電源ケーブル、ドレスナットのサンプルセット、モノラルスプリッターなど、内容は時期に応じて変化します。商品に同梱しますので是非お試し下さい!