Meng Qi: DSV紹介

2024/02/23 Author: Takazudo

Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、Meng Qi(孟奇)氏のDSVの紹介/解説記事です。

DSVは、ステレオ(モノラル×2)のシグナルをAttenuateするモジュールです。

こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。

DSVとはどういうモジュール?

各ジャックの機能

DSVとはDual Stereo Volumeの略で、ステレオのボリュームコントロールを2ペア分持つパッシブモジュールです。右側のジャックは下側のノブで、左側のジャックは上側のノブで、入力ジャックに受けたシグナルを減衰させ、出力ジャックへ流します。

ステレオと言っても、それぞれのジャックはモノラルです。モノラル入力2つを、1つのノブで併せてAttenuateするモジュールとなっています。

このモジュールはただそれだけのモジュールで、モジュラーシステムのシグナルを、何かしらステレオのミキサーに最終的に接続しているようなケースでは、特に不要かもしれません。

このモジュールは、モジュール間でボリュームコントロールをはさみたい場合や、CVのAttenuateを行いたい時に有効です。

例1: ステレオ出力を持つモジュールのボリュームコントロール

Lúbadhとのパッチ例

例えばInstruoLúbadhというモジュールがありまして、これはテープシミュレーターを2デッキ分持つモジュールであり、2系統のオーディオシグナルを出力します。そして、この2つのオーディオのボリュームをコントロールするため、それぞれのデッキについて、小さいボリュームのノブが備わっています。

このLúbadhは、テープを色々な用途に使うことが出来るようになっており、その機能はかなり膨大なので詳細は割愛しますが、その使用方法の一つとして、両方のデッキを使い、ステレオのディレイとして使うことが可能です。

この様にLúbadhを使う時、両Audio Outジャックから出力されるボリュームをいじりたい場合は、小さいノブを両方つまんで同時に回さなければなりません。こんな時、横にDSVを用意し、Audio OutをDSVのInに渡してやれば、大きいノブで快適にボリュームをコントロールすることができるようになります。

例2: LFOやEnvelopeのAttenuatorとして

ほか、DSVをCVのAttenuatorとして使うことも可能です。LFOやEnvelopeを入れれば、二系統のCV変化を同時に減衰させることが出来ます。

もちろん、片方だけ使えば、単純にモノラルのAttenuatorとして使用することも可能です。

操作性の高いノブ

DSVのは、大きくて操作しやすい、重みのあるノブを備えています。

モジュラーシステムにおいて、ノブやフェーダーはそのモジュールのインターフェースであり、ライブやパフォーマンスにおいて、モジュラーに備わっているノブの大きさが自分にとって使いやすいかは分かりません。

個人的な考えですが、モジュラーにおいて、ノブ/ボタン/フェーダーの大きさは、モジュラーシンセを演奏するにあたり、重要な要素かと考えています。モジュラーシンセを初めた頃は、小さいモジュールがコンパクトで便利だと思っていましたが、いざ並べてみると、それなりの大きさのノブを持つモジュールの方が使いやすいなどと感じたりもするものです。

このあたりの話は人それぞの感覚ではありますが、ある程度の規模のシステムの中に、一つあるとなにかそのようなボリューム/CVコントロールを挟みたい時に便利に使えるモジュールです。

その他

ゴールドとブラックの質感もいい感じです。
虫?っぽいデザインがかわいいです。
正直に申し上げますと、なんとなく見た目がかわいかったので入荷しました。
ユニークな見た目とゴールドの高級感が、モジュールに並んでいるとなかなか華やかです。

技術仕様

  • ALPS社のステレオポテンショメーターを使用
  • パッシブモジュール
  • 幅: 7Hp
  • 深さ: 26mm

付属品

  • ネジ
  • Meng Qiステッカー

Meng Qi(孟奇)氏について

Meng Qi(孟奇)氏は、中国在住のミュージシャン/シンセサイザーデザイナー/教師です。個人として各種の素晴らしい電子楽器を作成しています。

以下は本製品に同梱されているステッカーで、ここに書かれているメッセージは、楽器に興じることの素晴らしさを感覚的に感じている人には共感できるものではないでしょうか。

ステッカー写真

As a musical instrument designer, I'm expecting instruments could enable us to lead a life that is inviting, with characters of instruments corresponding to some certain parallels in our lives.

In this life can we indulge, where chaos are controlled as well as harmonies; some parts are continuous while some can be quantized; all the time we are surprised by daily wonder and also see results come to us as they're supposed to; science is respected as core, yet we talk through intuition.

This life being diversified, free, but never too obscure, we learn through practice though distinguish by expression. And that is good experiences to be entirely immersed in.

Meng Qi

音楽機材のデザイナーとして、私は機材が我々のLife(人生/生活)ををリードする存在になることを期待している。それは機材の個性が、我々のLifeの中の何かと共鳴し、自然と発生するかのように。

このLifeにおいて我々は興じよう。混沌がハーモニーのようにコントロールされ、一部はただ連続性があるだけであるかと思いきや一部やクオンタイズされ、いつだって我々は日常の中にある出来事に驚かされたり、起こるべきことが起こるのを体験したりする。そこには科学がコアとして尊重されるが、我々は直感を通じて会話をする。

このLifeは多様で自由であるが、決してとりとめのないものなどではなく、我々は繰り返し経験を積み、表現を通じて他と異なるものを見出していく。これは完全に没頭できる素晴らしい体験である。

Meng Qi

Takazudo訳

電氣美術研究會

オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

電氣美術研究會

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。

パッチケーブルや電源ケーブル、ドレスナットのサンプルセット、モノラルスプリッターなど、内容は時期に応じて変化します。商品に同梱しますので是非お試し下さい!