Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、OXI InstrumentsのOXI Coralの紹介/解説記事です。
OXI Coralは、8ボイスのマルチティンバーなポリシンセサイザーモジュールです。コーラス、リバーブ等のエフェクトやローパスフィルターがついていたり、カスタムwavetableを利用できたり、複数のファームウェアが用意されていたりなど、デジタルモジュールの利点をフルに生かしたハイスペックなモジュールです。
こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。
デジタルモジュールとは何?
OXI Coralはハイスペックなデジタルモジュールです。このモジュールの説明を始める前に、軽くデジタルモジュールと呼ばれている類のモジュールとはなにかについて軽く触れておきます。
モジュラーシンセサイザーの世界で、一般的に「デジタルモジュール」というのは、高い処理能力を持ったICチップを利用したり、開発者が自身でプログラムを書き、モジュール内蔵のICチップにインストールして作られているようなモジュールを指してそう呼ばれます。これと反対なのが「アナログモジュール」で、このアナログというのは、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等のアナログ回路部品を組み合わせて作られている、昔ながらの作り方のモジュールのことがそう呼ばれます。アナログモジュールは、ディスクリート(discrete)と言う言葉で表現されることもあり、この言葉はモジュラー界隈のWebサイトでたまに見かけるのではないでしょうか。
ただ、この区分けには大きな意味があるわけではなく、どの くらいのアナログさの部品をdiscreteと呼ぶのかみたいなところは曖昧です。デジタルモジュールだってアナログ部品はもちろん使いますし、ICといっても多様なので、今の時代はそういうデジタル部品が色々使われるようになってきたというぐらいの認識で十分です。
ここで抑えておきたいのは、昨今は技術の進歩により、モジュラーシンセのような小型の機械の中にも、かなり高度な処理が行える部品が安価で使えるようになったということです。
OXI Coralとはこんなモジュール
それでOXI Coralの話に戻りますが、このOXI Coralはかなりハイスペックな、そんなデジタルな部品をフルに活かして作られているシンセモジュールです。ベースはオシレーターですが、8ボイスを同時にならることができるほか、ローパスフィルターやコーラス、リバーブ等のエフェクトまで内蔵しているため、ここではOXI Coralのことをシンセモジュールと表現することにします。
このOXI Coralの機能はかなり多彩なので、ひとまず本家サイトに掲載されている、9つのOXI Coralのポイント紹介をざっと訳して紹介します。このCoralが、ただのオシレーターではなく、多機能なシンセサイザーであることがご理解頂けるでしょう。
1. ファットなサウンド
多くのコンピューティングパワーにより、8ボイスの豊かなサウンドエンジンを提供します。
エンジンによっては、1ボイスで最大8個のオシレーターを持つことができ、つまり一度に64個のオシレーターが鳴り響かせることも可能です。
2. ポリフォニック
Coralは8ボイスの構成です。そしてこのボイスそれぞれが、独立したフィルター、アンプ、モジュレーション、エンベロープ、エフェクトセンドを持っており、これらは個別に制御可能です。
MIDIで細かなコントロールが可能ですが、1 Gateと1 CV(V/Oct)での演奏も可能。この場合は新しいボイスが再生されるたび、別のボイスを割り当てて再生します。
CoralのGateと1V/Oct入力
Coralには1つのGate入力、1V/Oct入力しかありません。なので、複数の音階のノートを同時鳴らすことは出来ませんが、新しいGateが入力されるたびに、その時点での1V/Octをの音階を、新しいボイスに割り当てて再生するため、ここではこの挙動をポリフォニックであると呼んでいます。 モノシンセであれば、2音目が再生されると、既に鳴っている1音目は止まってしまいますが、Coralはそのような挙動にはなりません。
3. マルチエンジン
10種類の利用可能なエンジンから、各ボイスに異なるサウンドエンジンを割り当てることができます。新しいエンジンはファームウェアアップデートを通じて利用可能になります。
4. マルチパート
8つのボイスは自由に異なるパートに分割できます。フィルター、エンベロープ設定、エンジン、FX送信、パンなど、すべてのパラメーターは各パートまたはボイスごとに独立して設定することができ、すぐに複雑なパッチを作成することができます。
5. サンプル再生
Coralはユーザーが自由に変更可能なSDカード内のwavファイルを再生することが可能で、はほぼすべての種類のwavファイルをサポートしています(16ビット、24ビット、32ビットのモノとステレオファイル)。そしてその再生時間に制限はありません!
サンプルにオーバードライブを加え、フィルターとエンベロープを使用して音を整え、チューンでピッチのコントロールが可能。CV入力やCC MIDIコマンドを使用してリアルタイムでサンプルファイルまたはフォルダーを変更することもできます。