AI Synthesis: AI026 Line I/O Interface紹介

2024/07/14 Author: Takazudo

Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、AI SynthesisのAI026 Line I/O Interfaceの紹介です。

AI026 Eurorack Line Interfaceは、ラインシグナル(±2V程度想定)と、ユーロラックモジュールで一般的に使われるシグナル(±5V程度想定)の変換(Gain及びAttenuate)を行います。これにより、電圧の小さいラインシグナルを一般的なモジュラーシンセのレベルに持ち上げる、もしくはその逆の処理を行うことが可能です。

アルミニウムパネル版、黒パネル版の2種類があり、DIYキットも併せて取り扱っています。

こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。

商品写真: 完成品

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商品写真: DIYキット

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AI026 Line I/O Interfaceの機能

世の中にある音楽機材の出力電圧は機材によって固有であり、差があります。試しにどのくらいのものか、軽く調べてみたところ、例えばリーズナルなベースシンセであるBehringerのTD-3-SRという機材は、OUTPUTからの出力を電圧に変換すると、ピーク時は±2.75V程度になるようでした。

これに対して、一般的なモジュラーシンセサイザーで使われれている、パッチケーブルを流れる電圧は、±5Vの範囲内であることが多いです。このため、音楽機材からの出力をモジュラーシンセで受け取った場合、やたらとボリュームが小さく感じることがあるのですが、これは、その機材が出力端子から発している、オーディオデータを表現する電圧の振れ幅が小さいためです。これは良い悪いという話ではなく、ただ単に、それぞれの楽器メーカーがそれぞれの仕様で作っているという背景があり、そのようなことが起こります。

そして、モジューラーシンセの出力を別の音楽機材で受け取る際、今度は逆に音が大きすぎるということが起こります。例えば、ヘッドホンのジャックをモジュラーシンセのVCO出力につなぐと、びっくりするほどの大音量になってしまいます※。このAI026 Line I/O Interfaceは、このようなボリュームの差を調整するためのモジュールです。

※ 耳やヘッドホンを痛めてしまうので試すのはオススメしません

例えばWingie2

当店で扱っている商品で言えば、Wingie2には、ライン出力が備わっており、このジャックからの出力を他のモジュラーシンセへと接続すれば、Wingie2のオーディオをモジュラーシンセの中で使用することが出来ます。正確に測ったことはないのですが、筆者の感覚では、Wingie2のライン出力レベルは、他のモジュラーシンセと比較すると低めであるように思われます。しかしこのような時、このAI026を使用すれば、Wingie2からの出力をモジュラーシンセで使用される、±5V範囲の大きな電圧へと増幅させることが可能です。

また、Wingie2には外部のオーディオをライン入力することも可能です。ここにモジュラーシンセからの音を取り込もうとすれば、今度は逆に大きすぎるボリュームで音がWingie2に取り込まれてしまう可能性があります。Wingie2のマニュアルには、大きすぎる音出の入力は避けるよう説明が書かれており、モジュラーシンセの大きすぎる電圧をそのまま入力すれば、音割れした状態での取り込みとなってしまう可能性があります。このような時にもこのAI026を使い、モジュラーシンセの出力を落とすことができます。

このように、モジュラーシンセのセットアップに他の音楽機材を混ぜる場合、このAI026が一つあると、シームレスにオーディオレベルの調整を行うことが可能です。

各部の説明

本モジュールの各部は以下の役割を持ちます。

1. LINE LEVEL コントロール
このノブはLIVE LEVEL INで受けるシグナルの大きさを調整します。3時の位置で100%。より右に回すと、入力シグナルを100%を超えて増幅させます。このシグナルの増幅は、ノーマライズされていない小さいボリュームのオーディオを持ち上げたり、入力シグナルにサチュレーション効果を与えるために使用することが可能です。
2. EURO LEVEL コントロール
このノブはEURO LEVEL INの音量を調整します。時計回りに回し切った状態で100%です。
3. LINE LEVEL IN
2つの入力ジャックは、ラインレベルのステレオシグナルを受け取ることができます。左は右にノーマル接続されているため、右入力にケーブルが差し込まれていない場合、左が受けるシグナルが右にも渡されます。
4. EURO LEVEL IN
2つの入力ジャックは、ユーロレベルのステレオシグナルを受け取ることが出来ます。左は右にノーマル接続されているため、右入力にケーブルが差し込まれていない場合、左が受けるシグナルが右にも渡されます。
5. LINE LEVEL OUT
これらはユーロレベル入力信号のラインレベル出力です。
6. EUROLEVEL OUT
これらはラインレベル入力信号のユーロレベル出力です。

参考動画

以下は、AI Synthesis公式のデモ動画です。Ableton Liveからの±2V出力と、モジュラーシンセからの±5V出力を相互に変換している様子をご確認いただけます。

DIYガイド

DIYキットには、パネル、PCB、すべての部品、フラットケーブル、取り付けネジが含まれています。このキットには表面実装用の細かい部品(SMT部品)が含まれており、DIYの難易度としてはやや高めです。先の細いハンダごて、直径0.6mm以下の糸ハンダで作業されることをオススメします。

AI Synthesisは、Webサイトに細かなDIYガイドを用意しています。以下がそのガイドですが、組み立ての動画をはじめ、一つ一つの手順を写真入りで解説してくれているため、DIY入門的にもおすすめです。

技術仕様

  • 幅: 4Hp
  • 深さ: 22mm
  • 消費電力: 11mA +12V/11mA -12V/0mA 5V

AI Synthesisについて

AI Synthesisはアメリカポートランド州に拠点を置くモジュラーシンセメーカーです。

AI Synthesisのモジュールラインナップは、シンプルで実用性の高いベーシックなタイプのモジュールで構成されています。ユーザーの学習とDIYサポートに力を入れており、すべてのモジュールに丁寧なDIYガイドが用意され、設計図、BOMも合わせて公開されています。AI SynthesisのDIYキットで、シンセDIYを初めてみませんか?

電氣美術研究會

オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

電氣美術研究會

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。

パッチケーブルや電源ケーブル、ドレスナットのサンプルセット、モノラルスプリッターなど、内容は時期に応じて変化します。商品に同梱しますので是非お試し下さい!

AI026 Line I/O Interfaceの紹介は以上になります。

ご参考になれば幸いです。