Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、Olivia Artz Modular(OAM)のTime Machineの紹介です。
Time Machineは、クロック同期可能な8タップステレオディレイをベースとするユニークなDSPエフェクトモジュールです。ミリ秒から数分までのディレイタイムを持つ8つのディレイラインをミックスすることができます。
こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。
商品写真
Time Machineの特徴
Time Machineはまず、Clock同期できるDelayを探している時に有力な候補となるでしょう。Clock
ジャックへの定期的なGate入力が検知されると、Time MachineはそのGate間隔をベースに、その時間を8分割。この8タップ分Delayそれぞれについて縦フェーダーでボリュームをコントロールすることができます。
真ん中のt
ノブにはこのDelayの時間をコントロール可能ですが、Clock同期している場合には、Clockに沿った時間間隔に調整され、テンポからはずれたような時 間間隔にはなりません。そして右側のFeedback
ノブにより、DelayのFeedback(フィードバック)量を調整可能。
まずこれだけでも、Delayを視覚的に、分かりやすい大きなフェーダーでタップ毎に調整できるため、デジタルモジュールのパワフルさを持ちながらも、直感的なインターフェースが用意されているという印象です。
そしてSpread
ノブは、Delayのタップ間隔を調整する機能を持ちます。このノブを右に回すとタップ間隔が後ろ側(未来)に偏り、左に回すとタップ間隔が前側(現在)に偏ります。そして、t
ノブで調整できるDelayの時間は、左に回すとミリ秒単位の非常に短い時間間隔にまで縮めることができるため、この組み合わせにより、Reverb(リバーブ)やGranular Processor(グラニュラープロセッサー)を介したような空間的な効果を始め、Feedback
を大きくすることで、激しいカオスなフィードバック効果を作ることが可能。このあたりの塩梅は、色々と試しながら使い方を模索していくような楽しさがあります。しかしながらちょっとノブを戻せばもとのClock Delayに戻すことができるという、安定した機能性も魅力です。
以下は私の方でTime Machineを使ってみたデモ動画です。タップ毎にフェーダーが光ってDelayのタイミングが視認しやすく、またSpread
やt
ノブの変化により、空間的な広がりのある効果を生み出している様子をご確認いただけます。
マニュアル和訳
以下はTime Machineマニュアルの和訳になります。
主機能の解説以外については省いているため、全文を確認したい場合は、以下公式マニュアルをご参照下さい。
イントロダクション
タイムマシンは、ユーロラックモジュラーシステム向けの8タップ、ステレオ、グラニュラーDelayです。ミリ秒から数分までのDelayタイムを持つ8つのDelayラインをミックスすることができます。これらのDelayラインは、時間内で均等に分散させることも、現在や過去に偏らせることも可能です。Delayラインは、均等に分散させても偏らせても、Clock同期が可能です。Feedback機能により、過去の音が残ります。これらは全てCV制御が可能です。
Delayタイムの制御
t
ノブはDelayタイムを「ほぼ」0秒から8秒まで調整します。このノブは指数制御を提供するため、非常に短いDelayタイムの細かいコントロールが可能です。
t/2v
入力は、最大Delayタイムに対する指数CV制御を提供します。これにより、+1Vはノブで設定したDelayタイムを半分にし、-1Vはそれを倍にします。この入力は-5Vから+5VまでのCVに対応しており、Delayタイムを0.0001秒から2分30秒まで設定することが可能です。
Clockシグナルが提供されると、Delayラインはその時間間隔にクオンタイズされますが、上述の動作は維持されます。
Delayスプレッドの制御
Spread
ノブを12時の位置に設定する(もしくはSpread CV
に0Vを入力する)と、すべてのDelayラインが均等に配置されます。スプレッドを調整することで、リバーブのような時間空間を作り出すことが可能です。
Spread
ノブを左に回す(またはSpread CV
に負のCVを送る)と、Delayラインが現在に集中します。これにより、最近のDelayが増え、t
付近のDelayが減ります。
Spread
ノブを右に回す(または正のCVを送る)と、Delayラインがt
に集中します。これにより、最近のDelayが減り、t
付近のDelayが増えます。
それぞれのCVジャックは、-5V〜+5Vの範囲のCV入力に対応しています。
Clock同期
すべてのDelayラインが均等に分散されると、Clockの間隔にクオンタイズされます。スプレッドを変更すると、Delayラインがビートからずれていきます。ただし、最後のDelayライン(t
)はClockが提供されている場合、常にClockの間隔にクオンタイズされます。
Feedbackの動作
Feedbackノブの上部にあるアークで示される領域にFeedbackを設定すると、音は消えることも、制御不能に膨らむこともありません。この領域を「サウンドオンサウンドゾーン」と考えてください。
このゾーンを超えると、ギターアンプのFeedbackに似たカオスが発生しますが、これはよりデジタルでEvil(邪悪)なFeedbackです。
CV入力は-5Vから+5Vの信号に対応しています。
その他参考動画
Olivia Artz Modular公式YouTubeチャンネルにて公開されている、Time MachineのClock同期チュートリアル動画です。Clock同期させ、テンポに沿ったDelayが作られていることが確認できます。
以下は、非常に速いGateをClock
ジャックに渡し、激しいフィードバック、空間的な音響効果を作っているデモです。
以下はDivKid氏によるTime Machineを使ったパッチの解説動画です。
付属品
- フラットケーブル
技術仕様
- 幅: 22Hp
- 深さ: 25mm
- 消費電力: 122mA +12V/8mA -12V/0mA 5V
- 24-bit Audio 入出力(-5V to +5V)
- 16-bit CV制御(-5V to +5V)
Olivia Artz Modularについて
Olivia Artz Modular(OAM)は、トランスジェンダーやジェンダーにとらわれない人々が集まり、共に創作活動を行っているグループです。
Uncertaintyといったモジュールや、Teletouchのような電子楽器を制作したりしています。
Olivia Artz ModularはマルチタップディレイモジュールであるTime Machineにより大きな注目を集めました。Time Machineは2023年にKickstarterで資金調達を募集、48時間以内に目標を達成して無事に製品化されたモジュールです。
オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き
モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。
パッチケーブルや電源ケーブル、ドレスナットのサンプルセット、モノラルスプリッターなど、内容は時期に応じて変化します。商品に同梱しますので是非お試し下さい!
Olivia Artz Modular: Time Machineの紹介は以上になります。
ご参考になれば幸いです。