
Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、Recovery Effects And DevicesのMotion Picturesの紹介/解説記事になります。
Motion Picturesは、Delay(ディレイ)とReverb(リバーブ)を組み合わせた10HPのエフェクトモジュール。Delayは2種類のスタイルから選択可能で、Reverbはステレオ効果を原音に付与。Delay Time(ディレイタイム)はノブ、タップテンポ、CV入力、外部クロックで制御可能。エフェクトのミックスバランスやフィードバックもCV制御に対応しており、空間系エフェクトを手軽にセットアップに組み込めるモジュールです。
本商品は、以下よりご購入頂けます。
商品写真



DelayとReverbを統合した空間系エフェクトモジュール
Motion Picturesは、DelayとReverbを一体化した10HPのエフェクトモジュールで、外部クロックへの同期や豊富なCV制御に対応した柔軟な設計が特徴です。
Delayセクションはモノラル×2で、Delay Timeはノブ操作に加え、タップテンポ、外部クロック、CV入力による制御が可能です。出力されるDelayは単一のタイム設定に基づきます。Delayのタイプは、音のキャラクターが異なる「Digital」と「Analog」の2種類から選択可能。デジタルモードではクリアでエッジのあるリピートが得られ、アナログモードではクラシックなアナログ回路をシミュレートしたスタイルのDelayに切り替わります。
Reverbセクションはステレオ出力に対応しており、音に奥行きと広がりを加えます。こちらも専用ノブとCV入力でレベル調整が可能で、演奏中のリアルタイムコントロールにも対応します。ReverbはDelayと直列で接続されており、入力された音はまずDelay処理を経てからReverbに送られる構造になっています。
各エフェクトのパラメータはそれぞれ専用のノブとCV入力を備えており、Delay Time、Feedback、Delay Level、Reverb Levelに対して外部CVによる制御が可能です。これにより、モジュレーションソースを使用した動的な効果の生成や、パフォーマンス中の変化にも柔軟に対応します。
Takazudo的Motion Picturesのポイント
このMotion Picturesはまず、DelayとReverbがこれ一つでまかなえるという点が便利モジュールであると言えるかと思います。私個人がなにかしらモジュラーをいじるとき、最終的に小規模なミキサーでミックスしたトラックらをミックスしていますが、このトラック毎にちょっとずつReverb/Delay/Chorusをかけています。それは何か意識してそうしているというよりかは、いつも用意しておいて、ちょっとずつかけて調整するという具合です。
そもそも現実世界では、何か音を立てればその周りには空間があり、また壁があれば反響もするので、ReverbとDelayは、むしろ全くない状態という方が不自然であるとかいう話を聞いたことがあります。端的に言うと、ReverbでもDelayでも、なんかちょっとかけておくとそれっぽくなるものであると、雑に言ってしまえばそうとも言える部分もあるかも知れません(音楽のスタイルにもよりますが)。そんなわけで、ReverbとDelayがひとまとまりになっているこれは、汎用性の高い、活躍の機会が多いモジュールであると言えるでしょう。
ほか、外部クロックに同期できるというのはかなり便利なポイントです。ビートに沿った音楽を好んで演奏する場合、テンポにピッタリ合ったDelayを作れることは、個人的には結構重要だと思います。ですが、安価なDelayモジュールですと、割とクロック同期に対応していないモジュールも多く、かといってかなりリッチな機能を持つDelayは、逆に結構な値段がしたりもします。そんなわけで、このくらいの価格帯でクロック同期が可能であり、なおかつReverbも使えるというのは一つポイントであると言えると思われます。
ほか、ほとんどのパラメーターが外部CVによりコントロール可能であるというのは嬉しい点です。モジュラーシンセの楽しさの一つとして、こういったCV制御に、高速のLFOやオーディオシグナルやら、Envelope(エンベロープ)入れてみて、自分で音を探索していける点が上げられると思います。例えばこのモジュールであれば、Delay TimeやFeedbackに色々な入力を入れてみると、予想できないような面白い効果が得られることは請け合いです。
このように、汎用的な利便性の高さを持ちながら、モジュラーシンセらしさもしっかり持ち合わせた、あって困ることの無いモジュールとしてオススメしたい製品です。DelayでもReverbでも、2つ以上あって困りません。例えばハイハットにだけかけたいとか、キックにだけかけたいとか。そんな風にエフェクトを増やしていく際にも、困らない大きさの丁度いいサイズでもあります。
各部の説明

- A1:
TIME
(Delay Time)ノブ - Delayの遅延時間を設定。
- A2:
FEEDBACK
ノブ - Delay音のFeedback(フィードバック/繰り返し)量を調整。
- A3:
D LEVEL
(Delay Level)ノブ - Delayの出力レベルを設定する。原音とのバランスを調整可能。
- A4:
R LEVEL
(Reverb Level)ノブ - Reverbの出力レベルを調整。
- A5:
TAP TEMPO
ボタン - ボタンのタップ入力によりDelay Timeを設定。3回以上のタップでテンポを設定。
- A6:
Delay Type
スイッチ - ディレイのタイプをDigital(デジタル)とAnalog(アナログ風)のどちらかに切り替え可能。

- B1:
TEMPO
(Tap Tempo CV In)ジャック - Gate(ゲート)を受け取ってDelay Timeを設定するジャック。3回以上のクロック入力でテンポを設定。
- B2:
TIME
(Delay Time CV In)ジャック - Delay TimeをコントロールするCVを受け取るジャック。
- B3:
FEEDBACK
(Feedback CV In)ジャック - FeedbackをコントロールするCVを受け取るジャック。
- B4:
D LEVEL
(Delay Level CV In)ジャック - DelayのレベルをコントロールするCVを受け取るジャック。
- B5:
R LEVEL
(Reverb Level CV In)ジャック - ReverbのレベルをコントロールするCVを受け取るジャック。

- C1:
IN L
(Audio Input L)ジャック - オーディオ信号をモジュールに入力するモノラル端子。左チャンネル用。
- C2:
IN R
(Audio Input R)ジャック - オーディオ信号をモジュールに入力するモノラル端子。右チャンネル用。
- C3:
OUT L
(Audio Output L)ジャック - エフェクト処理された結果を出力するモノラル端子。左チャンネル用。
- C4:
OUT L
(Audio Output R)ジャック - エフェクト処理された結果を出力するモノラル端子。右チャンネル用。
参考動画
以下は、Recovery Effects And Devicesの公式YouTubeチャンネルにて公開されている、Motion Picturesのデモ動画です。一通りの機能が確認できる、シンプルにまとまったデモ動画になっています。
その他、以下は私Takazudoの方で撮ったMotion Pictures使ってみた動画です。B2 KickとADDAC104 VC T-NetworksをこのMotion Picturesに渡し、DelayとReverbをかけています。クロック同期しているのでDelay Timeを変化させてもBPMに即したDelayになっていることが確認出来ます。
付属品
- 電源用リボンケーブル
- ネジ
マニュアル
技術仕様
- 幅: 10Hp
- 深さ: 31mm
- 消費電力: 90mA +12v/5mA -12V/0mA +5V
Recovery Effects And Devicesについて
Recovery Effectsは、アメリカ・シアトル発の音響機器ブランド。ハンドメイドによる高品質なエフェクトペダルやモジュラーシンセ用モジュールを製造し、独自のサウンドデザインと個性的な機能で多くの音楽クリエイターに支持されています。
オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。
パッチケーブルや電源ケーブル、ドレスナットのサンプルセット、モノラルスプリッターなど、内容は時期に応じて変化します。商品に同梱しますので是非お試し下さい!
Motion Picturesの紹介は以上になります。
ご参考になれば幸いです。