
この記事では、10BOX JuBakoの組み立て方法を解説しています。
10BOX JuBakoは、Takazudo Modular: Panelsで先行販売しているDIYモジュラーシンセケースです。
- 必要な工具
- 構成の概要
- 組み立ての手順
- 1. レールフレームの組み立て
- 2. フタの組み立て
- 3. ベース部の組み立て1: 外箱の組み立て
- 4. ベース部の組み立て2: レールの取り付け
- 5. スタンドの組み立て
必要な工具
組み立てには以下の工具が必要です。これらはご用意くださるようお願い致します。
- 六角棒レンチ(例: Amazon: 六角棒レンチ 9本組)
- スパナ(例: Amazon: ミニスパナセット)
- プラスドライバー(例: Amazon: ドライバーセット/Amazon: 電動ドライバーセット)
- ペンチ(あれば)(例: Amazon: ペンチセット)
ドライバーですが、このケースは合計で70本近くのネジを締めるため、電動ドライバーがあるとだいぶ楽なので、オススメです。(モジュラーをケースに固定するためのネジを締めるのもだいぶ楽になりますし)
構成の概要
組み立て方の前に、まずは10BOX JuBakoの構成について、概要をご理解いただけると良いかと思います。
このケースは、大きく分けて以下の4つの要素で構成されています。
- レールフレーム
- フタ
- ベース
- スタンド(10BOX shallowのみ)
それぞれを組み立て、合体させて一つになるとお考え下さい。
まずは各部について簡単な説明を行います。

1. レールフレーム
まずはレール部分です。10BOXのレールフレームは、当店で扱っている汎用的なレールキット、zudo-railを使用しています。
zudo-railには、40HP版と60HP版の2つの長さバリエーション、そしてLite版/Nuts版/Dual版/Metal版の3つのバリエーションがありまして、ご購入頂いた際には60HPの長さで、いずれかのバリエーションのレールが付属しています。
このレールキットには左右のアルミフレームに多数の穴が空いています。ネジ/ワッシャー/ナットを利用し、これを外箱のサイドに空いている穴と固定してケースを完成させます。
2. フタ
10BOXはフタ付きのケースです。ケースとは別パーツとしてフタのパーツもセットになっています。


こちらのフタはケースと同様、パネルを金具で組み合わせ手組み立てる構成。フタの前面/後面パネルには段差があり、内側に入り込んだ部分があります。フタを被せる際、ケースのベース部分の前面/後面と、レールフレームの間にあるスペースにこの部分が収まることで、自然な装着感を実現しています。
3. ベース
フタの外箱の本倍部分、これをベースと呼ぶことにしますが、shallow版の場合、ベース部は奥側が深く、手前側が浅い形状になっています。この段差部分は以下写真のようにオープンになっています。


この段差部分がケースの脚におさまるのがshallow版です。
deep版にはスタンドは付属していませんが、手前側も奥側も深い形状になっています。


このため、深さのあるモジュールをたくさん使いたいときに有効に利用出来ます。
deep版の場合、zudo-standなどのスタンドを別途ご用意いただくと立てて使うことが可能です。
4. スタンド
shallow版のみ、前述の通り、奥側/手前側の高さの違いを利用したスタンドが付属しています。


このスタンドも3Dプリント製ですが、スタンド組み立てには金具を使用しません。パネルのへこみ部分を組み合わせて組み立てられる仕組みになっており、上に本体ケースを載せて使用します。
組み立ての手順
以降、組み立ての手順を解説して参ります。組み立ての手順は以下の5ステップに分けて解説します。
- レールフレームの組み立て
- フタの組み立て
- ベース部の組み立て1: 外箱の組み立て
- ベース部の組み立て2: レールの取り付け
- スタンドの組み立て
10BOXは、このケース以前に開発していたzudo-block-40やzudo-block-60とは構成が異なるのですが、使用している金具やレールは同一です。パネル同士を固定するための方法や、ネジやナットの使い方は基本的に同じなので、以降をお読みいただく前に、以下のzudo-blockシリーズの組み立て手順をざっとご参照頂けると、スムーズに組み立てが進むかと思われるため、ご参照いただくことをオススメします。
他、注意点として、このケースに使用しているパネルには表面と裏面があります。基本、どのように組み立ていただいても、好みでしかないので問題は無いのですが、一応製品としては、表面が外側だったり目に見える側に来るようにすると、キレイに組み上がると想定しています。組み立て時にはこの点をご注意ください。


1. レールフレームの組み立て
まずはレールフレーム部の組み立てです。このレールフレームは、前述の通り、当店で扱っている汎用的なレールキット、zudo-railを使用しており、その組み立て手順はzudo-railの組み立て手順と全く同一です。なのでこのレール部分については、以下組み立て手順をご参照の上、組み立てを行っていただくようお願い致します。
zudo-railにも色々バリエーションがあるのでポイントをお伝えしておきますと、この10BOX用レールは、3U 60HPサイズのレールフレームを2つ繋げたものに該当します。横のアルミフレームとレールを固定する際、以下のように連携用パネルを間に挟む必要があります。

Metal版以外の素材の場合、過剰な力が入ると折れてしまう可能性があるため、上記組み立て方法ページをよくお読みの上、組み立てていただくようお願い致します。
※ Metal版以外は、30HPのレールを二つ繋げて60HPにします。上図では省略して書いているためご注意ください。
2. フタの組み立て
レールが組み上がったらフタ部分の組み立てを行います。ベース部よりもフタを先に作るのは、こちらの方が単純だからです。
フタもベース部も同様なのですが、このケースはパネル同士をL時のブラケット金具とネジ/ナットで固定するだけの、単純な作りになっています。なので、以降も同様なのですが、やることとしては、パネル同士を組み合わせ、ブラケット金具をネジとナットで固定していくという作業の繰り返しです。
以下が展開図と、ブラケットを取り付ける位置を赤枠で示した図です。


この赤枠部をブラケット金具+ネジ+ナットで固定していきます。フタの組み立てに使うネジは12mmの少し短めの、たくさん入っている方のネジです。
このパネルの固定なのですが、フタについては、側面のパネルが、メインのパネルよりも長さがある状態になっており、前側/後ろ側のパネルの長さは、メインのパネル2枚の合計幅と同じになっています。言葉にするとややこしいのですが、以下が展開図と、メインパネル以外を立てた状態の図です。


組み上がった状態は、いかように前後左右のパネネルの内側に上面のパネルが入る形になります。


基本、ネジ穴の位置で揃うようになっているので、その通りに組み立てれば完成しますが、図の通り、四隅の組み合わせが上図のようになることを確認しながら、ブラケット金具で固定していきます。
フタ組み立て時のポイントとしては、以下三点です。
- パネル接続部をまっすぐにするよう、手で押さえながらナットを締めていくこと
- ネジ頭を外側、ナットを内側に配置すること
- 手前/奥のパネルは、へこみがある部分を内側にすること
以下の写真を見て下さい。


この写真は、一枚目がフタ上面の写真、二枚目がフタの内側の写真です。
上面の写真にはネジの頭が見え、内側にはナットが見えていることをご確認頂けると思います。そして、一枚目の写真の置く側では、パネル同士が組み合わさり、デコボコになっていないこともご確認いただけると思います。
このように、パネルの外側から内側に向けてネジを通し、パネル内側にナットを取り付けて下さい。そして本パネルに空いているネジ穴は、正円では無く、楕円になっています。このため、箱の四隅におけるパネルかみ合わせがデコボコにならないよう、手で固定しながらナットを締めていいただくよう、お願い致します。
また、ネジを締める際、付属の1mmワッシャーをネジ頭の下に挟んでください。つまり、外側から内側に向けて、以下の順に金具を通す形になります。
- ネジ頭
- 1mm高ワッシャー
- パネル
- ブラケット金具
- ナット
一応、ネジ穴が内側でも外側でも利用に問題は無いのですが、ナットにはある程度の高さがあるので、このように内側にナットを配置する形がキレイに仕上がります。
ほか、手前側、奥側のパネルは、付属しているパネルの中で唯一、段差があるパネルです。この段差部分が内側に来るように組み立ててください。
3. ベース部の組み立て1: 外箱の組み立て
次にベース部分の組み立てです。
ベース部ですが、まずは奥側、手前側の2つに分けて組み立てを行うと考えてください。以下はshallow版の展開図で、奥/手前で分割して考えます。


組み立て手順については、前ステップのフタと基本的には同じです。以下赤枠がブラケットの位置を示しています。フタと異なる点として、メイン部のサイドパネルには縦長の穴がたくさん空いており、ここにネジを通して固定します。サイドパネルは横に長い穴がある方が上側です。上下を間違えないようにご注意ください。


この組み立ては基本、フタの組み立て時と同様ですが、一点、異なる部分があります。それは、側面パネルと底面パネルの金具の連結順序です。これまで、ネジトナットの固定は、以下の順番で行うよう案内してきました。外側から……
- ネジ頭
- 1mm高ワッシャー
- パネル
- ブラケット金具
- ナット
しかし、以下の連結部の、側面パネルを固定する部分だけは別の順序で固定する必要があります。


これらの場所については、内側から以下の順序で固定してください。
- ネジ頭
- ブラケット金具
- パネル
- 1mm高ワッシャー
- ナット
側面パネルを固定する部分のみ、以下写真の赤枠部分です。

何が違っているのかというと、ナットを外側に配置しています。1mmワッシャーも外側に配置します。青枠部分はこれまでの固定方法でナットを締めた状態で、内側にナットが付いていることが分かります。
このような構成にしている理由は、レールのフレームを取り付ける際に、ナットがレールのフレームに干渉しないようにするためです。メイン部の手前側は浅いケースになっているため、内側にナットを付けてしまうと、レールのフレームが収まらなくなってしまいますのでご注意ください。収まらないのに無理矢理はめようとすると、レールが折れてしまう可能性があります。
deep版の場合は、手前側も奥側も同じ、深い形状です。同様の手順で組み立てを行ってください。
4. ベース部の組み立て2: レールの取り付け
奥側/手前側2つの箱をそれぞれ組み立てたら、次にレールを取り付けます。
この2つのメイン部の箱は、箱自体が何かしらの方法で直接くっつくわけでは無く、レールを介して2つの箱が繋がる形になります。レールに空いている穴と、側面パネルの上に空いている横方向の穴を合わせ、ネジ/ナットで固定します。




このレールと側面パネルの固定ですが、前ステップ同様、金具の取り付け順序に気を付ける必要があります。内側から以下の順序で固定してください。
- ネジ頭
- レールのアルミフレーム
- 3mm高ワッシャー
- パネル
- 1mm高ワッシャー
- ナット
レールのサイドアルミフレームと、外箱の側面パネルの間のスペースを、3mm高ワッシャーで埋める形になります。上の写真で、パネルとアルミフレーム間にワッシャーが挟まっているののを確認してみて下さい。
レールの固定位置
このレールと側面パネルの固定位置ですが、shallow版、deep版で違いがあります。まずは以下の図を見てください。


1枚目がshallow版の固定位置を示したものです。レールのアルミフレームにはたくさんの穴が空いており、これは三段になっています。shallow版の場合、手前側のメイン部外箱は浅いため、アルミフレームの一番下の段の穴を利用し、外箱の側面パネルと固定します。つまり、shallow版は深さ調整はできないモデルです。
これに対し、2枚目はdeep版の固定位置を示した図です。deep版の場合、奥側も手前側も深さのあるケースであるため、レールのアルミフレームとの固定位置は自由に、つまりは三段階のうち好きなものを選べるようになっています。shallowと同様に一番下の段を利用すれば深いモジュールも入るケースに、それ以外の段を利用すれば、レールの位置を深くすることが可能です。
5. スタンドの組み立て
最後にスタンドを組み立てます。このスタンドはshallow版のみ付属しています。


スタンドは2つの脚パーツと、2つの連結パーツで構成されています。脚パーツのへこみ部分に連結パーツをはめ込み、スタンドを組み立てます。
このスタンドにはゴム脚が付属しています。使用用途に応じ、脚の底面やケースを載せる部分に貼り付けてご利用下さい。
10BOX JuBakoの組み立て方法は以上です。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。