どうもTakazudoです。色々と商品をポツポツ増やしてきているのですが、商品の性質上、まとまった説明やら、そもそもモジュラーシンセってどういうものよみたいな説明がテキストで必要になってきたなと思いまして、そういったテキストを本Webサイトでは「コラム」として書いていこうかと思いました。
ということでコラム第1回。本日はシンセDIYとDIYキットについてです。
シンセのDIYってどういうこと? 自分で作れたりとか全然できる気がしないんですけど〜〜という方向けに書いてます。
私とシンセDIY
まずは私自身とシンセDIY(以降DIY)について少し書いておきます。
とりあえずこのWebショップを作ったのは2023年9月とかそのあたりだったんですが、その頃は自分はほはんだ付けとかそういう、電子部品をどうこうしたことは全くなかったんですよ。ただ、モジュラーシンセを触り始めると、そういうのを自分で作っている人たちもいるのが観測されるなぁというぐらいの認識で、おそらくモジュラーシンセを買って楽しんでいる人の中の多くも、だいたいそういう認識の方の割合が多いだろうという感覚です。
そんな風にシンセを売り出してみた後、うちのショップに興味を持った@regenb0gen303とdiscordで会話をしていたら、DIYをやってみたいという話になりまして、よしんじゃ一緒にやってみるか。作って売れるか?という流れになり、とりあえずあれこれ作ってみるという流れになりました。彼は今も当店でDIY品として販売しているものの多くを作ってくれています。それがだいたい2023年11月ぐらいなので、この記事を書いている今は2024年8月であるため、自分のDIY歴はおおよそ半年ちょいぐらいです。
そこから色々と作ってきているのですが、自分にとってDIYを始めたことは、色々な意味があったことだと感じています。DIYを通じて色々な人に出会ったり、シンセの仕組みを部品単位で理解するに至ったり。何というのでしょうか、例えば当店や楽器屋で売っているこのようなシンセ等をみても、DIYを始める以前は「完成された電子楽器」という認識が普通だと思うんですよ。でもDIYを始めると、その解像度が高くなる感じがします。どういう特徴を持っているのか、デジタルなのかアナログなのか、どうしてこういう値段なのかなどなど、感じられるようになると思いますね。たぶん、自分でDIYしてみる人から見た電子楽器と、そうでない人にとっての電子楽器は、結構認識が異なっていると思います。
その後はオープンソースになっているモジュールのBOM(部品リスト)を見て一つずつパーツを自分で買ったりなどしたり、回路の勉強をたまにですがポツポツしたりしています。
DIYのススメ
そんなDIYなんですが、当店ではDIYに必要な部品がまとまっているDIYキットを多数取り扱っています。初めに道具を揃える必要はありますが、一度道具を揃えてしまえば、そういったDIYキットを買ってきて、部品をはんだ付けしていくだけで、自分でシンセを組み立てることができるようになります。私Takazudoとしては、このシンセDIYを是非勧めたい。そう思ってDIYキットを取り扱っています。
1. シンセに対する理解と愛着
DIYを勧めたい理由としては、前項でも少し書きましたが、まずはシンセに対する理解と愛着が深まるという点が挙げられます。例えば39,800円のモジュールがありまして、ちょっと興味あるなーと思って買い、そしてちょっといじって、たいして理解しないままに売っ てしまうみたいなことってよくありませんか?
自分も割とそういう感じでシンセを売り買いしてたんですが、DIY始めてから割とそういう頻度が減りました。これがなぜか自分でもよく分かってないのですが、たぶん自分の手でシンセをDIYすると、全部自分の手で回路を繋ぎ、時にそれが動かなかったりもすることがあったりで自然とその一つ一つの機能を理解する結果をもたらします。そうなると、それはよく知っている道具という感じになって、手元に置いておきたくなる感覚があります。そう、39,800円の商品じゃなくて、自分で作ったモノという感じなのです。
これが誰にでも当てはまるとは思いませんが、そうやって自分で手を動かして作るということは、シンセに対する理解と愛着を生むとTakazudoは考えています。
2. DIYすること自体が楽しい
もうひとつが、DIYすること自体がこれはまたモジュラーシンセを演奏する、それを使って曲を作るみたいな、音楽的なこととは別の種類の趣味であると言えるかとTakazudoは考えています。この趣味が結構楽しいなと。
自分はDIYを始める前、このDIYは商品を作る工程であるとしか考えていませんでした。ショップとして売ることも考えていたので、材料がいくらで利益としてはどのくらいになるかなとか考えていて、そういう視点がメインだったんですが、実際にやってみると、このDIYすること自体が楽しいなと気付かされました。
モジュラーシンセを演奏することって、それ自体が 瞑想するのに近い感覚があって、没頭できる感覚を自分は得ているのですが、そのシンセをDIYすること自体も、作ることに集中して没頭する感覚があります。Takazudoの本業はWebアプリとかの開発なんですが、Webアプリを作ることには目的があるが、それをプログラミングしている工程自体が楽しいという感覚に近いです。やればはんだ付けも上達していきますし、はじめはミスしたり、完成しなかったりすることもありますが、そういうのはやっていけばだんだんと減っていきます。
このあたりも人によるところが大きいかと思いますが、私は横でアニメやら動画やらを流しながら延々とはんだ付けをしていることがあり、そういうのもなかなか楽しいところですね。
3. 安価にモジュールを手に入れられる
もう一つは、安価にモジュールが手に入れられるというところが挙げられるでしょう。例えば以下、AI SynsthesisのStereo Matrix Mixerですが、これは完成品47,800円に対し、DIYキットは22,800円で販売しています。(2024年8月現在)
この価格は、当店としてはメーカーからの卸値を元に設定しているのであって、別に私が個人的に勧めたいから安くしているわけではありません。元々の値段としてDIYキットなら半分程度なわけです。そして、内容としては組み立てられているかいないかというだけの差なので、自分で作れればお得です。
このモジュールは自分でも組み立てて見ましたが、部品の数がかなり多く、慣れていても2〜3時間ぐらいはかかると見込んでおくのが適切かと私の方では感じました。メーカー側としては、これを10台売ろうと思ったら、20時間ぐらいかかるわけですから、この価格の差額はこの作業時間といえますね。
DIYキットをまとめるのもやや手間であるということもあろうことから、すべてのDIYキットが完成品に対してそんなに安価というわけではありませんが、大体手間がかかるモジュールであるほど、DIYキットと完成品の価格差は大きいという傾向があります。
ただし、完成品の場合は動かなければ当店に返品を求めることが可能ですが、DIYキットの場合は組み立ててもうまくいかなかったり、変に回路をつなげてしまってショートさせてしまった場合、自己責任となります。キットと完成品の差額にはそのような点も含まれていますが、そんなわけで自分でチャレンジしてみようかなと思う方にはDIYキットで作ってみるのは価格的にもオススメです。