どうもTakazudoです。色々とテキストを書いていこうかなということで、そういうのをコラムとしてやっていこうということでした。前回はシンセDIYとDIYキットについて書きました。
今回はその続きでコラム第2回、シンセDIYに必要な道具について書きます。
当店で売っているようなシンセのDIYキットを買ったとして、家に何があれば作れるのか?というところです。まだ電子工作をしたことがない人向けに書いています。そして書いていたら、はんだ付けってどういうことなんだ?みたいな解説が微妙に混ざりました。
シンセDIYに必要な道具
よし、ではなんかDIYやってみようかな!ってことで、ありがたいことに当店のDIYキットなんやを買ってみたとします。例えば以下あたり。
そういう電子工作をやったことがない人がいきなりできるか?と言うと、一般的な家庭であれば、そういうことをする道具がまず無いのが普通でしょう。と言うことで、その道具やらを紹介していきます。
そんなわけで色々これまでに買ったものを見直していたのですが、まとめていたら結構な量になってしまったので、以下にカテゴライズして紹介していきます。
- 必須
- 工具
- あった方がいい レベル1
- あった方がいい レベル2
- あった方がいい レベル3
道具の紹介を始める前に一つ断っておきますと、私は何かこういう電子工作のプロであるとか、深い職人的な知識を持っているような人間ではなく、シンセDIYを初めて1年未満の者です。ですが、一応作って売ろうなどとも考えていてやったりしているので、同じモジュールを何個も作ったりしています。
なので、そこそこはんだ付けをしてはいる方であろうとは思われるので、自分が使っているものを中心に、こういうものを使って自分はやっておりますよという感じで紹介しているというものだと思って読んでいただけると幸いです。
1. 必須
まずは必須のものということで、これがなければそもそもできない!というものを紹介します。
はんだごて
まずははんだごてです。なんではんだごてが必要かかと申しますと、それはこのDIYキットでやるような組み立ては、プリント基盤に各種部品を取り付けていく必要があるためです。その部品らにはリード線、端子、ピン等がついていまして、それをプリント基盤に一つずつくっつけていきます。プリント基盤には表面に銅線が張り巡らされており、電源からの電流を受け、サイン波やらを出してくれるICだったり、抵抗やコンデンサなどなどの細々とした部品が電圧の揺れを作ってくれ、それが最終的にスピーカーを鳴らし、シンセサイザーとして動作させることができるという感じですね。
というわけでまずはその部品をくっつけるためにはんだごてが必要です。
正直私も色々試したわけでは無いのでどれが実は良いなどはあるかもしれませんが、我が家にあって、この界隈でスタンダードであろうと思われる以下のはんだごてをご紹介しておきます。
このHAKKOは日本のはんだごてメーカーで、このはんだごてのAmazonでの評価数を見ても、その知名度の高さが窺い知れます。ひとまず、このダイヤル式の温度調整ができる機能がついていたとしても、大体同じ温度で使うことになるでしょうが、温度によってはんだの溶け具合等々を実感することができます。
安いのを選んでしまってなんか上手くできずに終わってしまったみたいなことを避けるため、はんだの理解のためにも、このはんだごてはスタンダードで丁度良いものかなと思います。
糸はんだ
はんだごてがあっても、それだけでは部品はくっつきません。くっつけるにははんだを買わねばならないのです。このはんだが糸状になっている糸はんだが必要です。
プリント基盤にはランドと呼ばれる部品の接続部がたくさん用意されてまして、そこにピンやらリード線やらを当てて、はんだごてを当てて温度を上げ、そこに糸はんだを当てます。すると糸はんだが溶けて部品とプリント基盤がくっつきます。そうやって基盤と部品が固定され、通電もするようになるというのが、このはんだ付けを行うことで得られる結果です。
その糸はんだは、うちで売っているようなDIYキットですと、以下あたりが丁度良いかと思います。
この2つの違いは含まれるハンダの量の違いで、前者が11g、後者が70gです。自分はいっぱいDIYをしていくんだーという方は後者を買えば良いと思いますが、初めての方は前者でも十分だと思います。
一応ここでのポイントは以下です。
- 鉛入り
- 直径0.6mm
鉛入り
鉛 入りというのは、ハンダの成分として鉛が含まれているということなんですが、鉛入りであるとはんだが溶けやすく、電子工作的には楽です。なので鉛入りを買うのがまずは良いでしょう。
そしてこれは付加的な知識として頭の片隅にでも入れておいていただければと思いますが、近年、鉛は自然にも健康にも有害であるため、RoHSというヨーロッパの規制では鉛が有害物質に規定されているみたいな背景もあり、輸入されてきているモジュラーシンセなんかでは鉛入りのハンダはほぼ使われていないと思われます。
そのように鉛が入っていないハンダも売られており、そのようなはんだはリードフリー、鉛フリー、鉛0%などと書かれて売られています。ただ、鉛入りでないはんだはこて先をもう少し高い温度にしないと溶けづらく、ちょっと難易度が上がります。なので、とりあえず始める場合には鉛入りを使うのが無難かと思われます。
直径0.6mm
もう一つのポイント0.6mmというのは、糸はんだの直径です。モジュラーシンセのDIYですと、0.6mmか0.8mmあたりが丁度良いかと思います。直径1mmぐらいですと、はんだごてに当てた時に溶けるはんだの量がかなり多いため、特に初めて半田付けをする場合ですと、過剰なはんだ量になってしまいがちかなという感覚です。
下の写真は、左側が直径1mm、右側が直径0.6mmの糸はんだを並べたものです。基板にあいている穴と糸はんだの太さを比較してみてください。
ヤニ入り
その他、ヤニ入りと大体のはんだには書いてあるんですが、この糸はんだ、実は中にフラックスという潤滑剤みたいなものが含まれてるんです。そのフラックスの主成分が松ヤニとのことでそう書いてあります。このフラックスは金属の表面張力を低める特性があるので、はんだごてで糸はんだを溶かすと、一緒に溶けたフラックスにより、はんだ・プリント基盤のランド・部品のピン部分の3つが一つにまとまり、はんだごてを離したら冷えて固まるというというのが、はんだ付けの大まかな仕組みです。
はんだ付け用作業マット
はんだ付けをする時にあった方がいいのが作業用のマット。耐熱性のあるものです。自分は以下を使ってます。
単純に机やテーブルクロスの上で作業しますと、部品、はんだ、はんだごては高熱になりますんで、落とすと焦げたりしてしまうでしょう。その防護用と、あとは細かい部品がたくさんあるので、見分けがつきやすいようにこういうマットの上で作業するのが良いです。
このマットについていえば、上側に小さい部品を小分けにまとめておけるエリアが用意されています。抵 抗やらキャパシタやらをここにまとめて順に作業する等が可能です。
こて台
はんだごてを使う場合、こて台も必要です。こて台がないとその辺にはんだごてを横に置いておくことになり、机が焦げ ますし、転がって危険です。自分は以下を使っています。
このこて台、だいたいこて先をクリーニングするスポンジや、金属タワシみたいなクリーニングワイヤーがセットになっており、これも必要なものです。
はんだ付けをする際、付け終わってもはんだのこて先に中途半端にはんだが残ることがあります。あとはチャチャっとはんだ付けしないと、糸はんだに含まれるフラックスが蒸発してしまい、上手くはんだ付けできなくなってしまうことがよくあります。あとはなんかちょっと焦げた感じになってしまったりとか。そういう場合にこのクリーニングワイヤーやスポンジにこて先を当てて掃除します。
このこて台ですが、Takazudoははじめもっと安価で重さも軽く、スポンジ付きのものを買ったのですが、こちらのものへと買い直した経緯があります。この辺りは個人の感覚の違いがあると思いますが、半田付けをしていると、何度もこて台にはんだごてを置いては再び手に取るというのを繰り返すことになるので、ある程度の重さがあるもののほうがラフにこてを扱えるため、作業しやすいと感じます。また、スポンジよりもクリーニングワイヤーの方がささっとこて先を綺麗にできるなという感想を自分は持ちました。
そんなわけで、1,000円〜2,000円ぐらい差があると思いますが、長く使うならそれなりにしっかりしたこて台をオススメします。
はんだ吸い取り線
一応ここまでの道具ではんだ付けは出来ますが、はんだ吸い取り線も用意しておいた方が良いです。
このはんだ吸い取り線というのは、はんだづけが失敗した時、はんだを取り除くために使用するものです。これ、自分は理屈はよく分かってないんですが、ハンダを除去したいところにこの吸い取り線を当て、はんだごてを当てると、吸い取り線にはんだが吸収されていきます。
この吸い取り線というのは金属の細い糸が編み込まれたものになっているっぽく、雑巾で溢れた水を拭き取るが如く、はんだがこの吸い取り線に吸い込まれていきます。はんだ除去ソリューションは色々あるんですが、ひとまずはこの吸い取り線は最もベーシックなはんだ除去アイテムです。ちょっとはんだを盛りすぎたみたいな時にも気軽に使っていきましょう。
とりあえずここまでが必須道具になります。
2. 工具
次に工具系の道具を紹介します。
これらのうちのいくつかは必須ですが、ここまでに書いてきたはんだ関連の道具と違い、すでにご自宅にあるものも多いかと思われたため、「工具」として分類しました。
工具セット
ドライバー、ニッパー、ペンチ、六角レンチ等、一般的な工具はシンセのDIYでも使うため、必須の道具です。こういうものは、一つずつ買っても逆に高くなってしまうかと思われますので、自宅に無ければとりあえず以下のようなセットを買っておくといいかもしれません。
自分は始める時に自宅にこの辺りの道具がなかったのでこちらを買いましたが、すでにパラパラと色々家にあるという方は、あえてこのような工具セットを買う必要はありません。
電子工作用ニッパー
上記のような工具セットにもニッパーは含まれていますが、自分は以下のニッパーを便利に使っているので紹介しておきます。
こちらのニッパーは飛散防止のクリップが付いていまして、抵抗等のリード線なんかを切った時、不要な導線部分がニッパーのカット部すぐ横にあるクリップでキャッチされる仕組みになっています。
通常のニッパーでも事足りますが、今後もDIYしていこうと考えている方はこのようなニッパーがあると、かなり作業効率が上がると思います。
ワッシャー締め用ドライバー
モジュラーシンセで使われる、パッチケーブルを挿すジャックは、大体同じ型の部品が使われておりまして、以下のThonkiconnと界隈では呼ばれているジャックが使われています。おそらくお持ちのモジュラーシンセにも使われているでしょう。
このジャックは、パネルとの固定用に、2つ溝のあるワッシャーを使うのですが、これを回すためのドライバーが必要になります。以下がそのドライバーです。
Amazonでは最低2本からしか買えず、2本もいらねぇと話題のドライバーですが、手で締めるだけだと緩んできてしまうので、こちらは持っておくと便利です。
ワッシャー締め用レンチ
もう一つ、モジュラーシンセでにはたくさんのツマミが使われますが、このつまみも大体同じ型の部品が使われています。
このつまみはポテンショメーターという電圧を分配する部品なのですが、これもパネルと固定するために六角のナットが使われます。そのナットを締めるためのレンチが以下です。
これは必ず必要なものではありません。例えば前述の工具セットにもナットを締めるためのレンチが含まれており、それでも十分です。ですが、モジュラーシンセをDIYする人はこのナットに頻繁に遭遇するため、このような小型で手軽に使えるレンチがあると便利です。
以上が工具系の道具紹介です。この辺りはとりあえず必要そうなものだけは揃えて、あとは必要そうなら買ってみる感じでも良いかと思います。
3. あった方がいい レベル1
次はあった方が良いレベル1道具です。個人的には必須だと思うものも多いのですが、そんないきなりあれこれ買えと言われても、始める前からいっぱいいっぱいになってしまうかと思われたので、ちょっとやってみた人が必要になりそうなものをあった方がいいレベル1としてまとめました。
まだ初めてもいない方は、以降はそんなものもあるのかというつもりでざっとお読みいただければと。
基盤固定用クランプ
はんだ付けをする際、プリント基盤にひとつずつ部品を取り付けていくわけですが、部品の取り付けを進めていくと、部品の高さはそれぞれ異なるため、マットに置いたままの状態ですと傾いた状態になってしまいます。そのような時、以下のような基盤固定用のクランプがあると便利です。
自分は前者のクランプを持っています。小型で便利ですが、部品を多数取り付けていった最後の方になると、クランプでつまむところがなくなってくるという問題があります。ですが、そこまで来ればほぼ完成状態なので大きな問題ではありません。
後者のクランプホルダーはDIYのイベントで見かけました。こちらの方が両端を挟めるので、最初から最後までずっと利用できますが、サイズ的に大きいですね。その他クリップで固定するタイプのもの、ルーペ付きのものなども販売されているので、気に入ったものを買ってみるのが良いかと思います。
リードベンダー
リード線曲げ機。これは抵抗やトランジスタ等のリード線を曲げるためのものです。
詳細はAmazonの商品写真をご覧いただきたいのですが、このような電子部品は非常にたくさんの数はんだ付けすることになり、手で一つずつ曲げていくと幅にばらつきが出てしまいます。そんな時これを使えば、均一な幅で曲げることができるので非常に便利です。
個人的には必須アイテムで、はじめの必須カテゴリに入れようかとも思いましたが、無くてもできると言えばできるのでこちらにカテゴライズしました。値段も安いですし、DIYするなら是非一つ持っておくと良いです。
手袋
静電気防止の手袋です。これは必須ではありませんが、とりあえずひとつ持っておくと良いと思います。
まず一つこの手袋をした方が良い理由としては、静電気から部品を守るためです。例えばICはデリケートで、静電気が流れると壊れてしまうことがあります。Takazudo自身はそれをやっちまったことはまだ無いのですが、故障を防ぐためにも手袋をして作業するのが理想で す。
ですが正直自分はそこまで気にせず作業をしておりますね……。ただそんな場合でも、ちょっと手元が熱くなる場合にこの手袋は便利に使えます。例えば前述のはんだ吸い取り線も、吸い取り線自体が金属で熱を伝えやすいので、さっさとやらないと、吸い取り線を持っている手の方がアチッ!となってしまうので、手袋をしておいた方がよいです。
その他、例えば取り付けた抵抗を取り除く時、基盤との接点部分に右手に持ったはんだごてを当てながら、左手で抵抗をつまんで引き抜いたりすることがありますが、こういう時も手袋をしていないとアチッ!となります。
そんなわけで、普段手袋をしてなくても良いですが、そういうちょっとしたタイミングで使うケースは結構あります。
はんだ吸い取り機
はんだ吸い取り機もあると良いです。例えば以下のようなものが安価です。
皆この道具のことをシュッ太郎と呼んでいるのが観測されます。そういう名前の商品があったようで、今はバージョンアップしたシュッ太郎NEOになっているようです。
こちらは正直オススメというわけでは無いのですが、はんだを吸い取りたい時には必要なものです。前述のはんだ吸い取り線なんですが、これはちょっとした量のはんだを取り除く時には良いのですが、ある程度以上の量のはんだを取り除くのは難しいです。
そこでこのシュッ太郎は、その使い方を言葉で表すのは若干難しく、詳細はAmazonの紹介動画を見ていただきたいのですが、中にバネが入っており、ボタンを押すと先っぽのところにあるはんだを一気に吸い込む仕組みになっています。ハンダを取り除きたい部分にはんだごてを当てなが ら、このシュッ太郎でハンダを吸い込むという具合です。
ただ、右手にはんだごて、左手にシュッ太郎、プリント基板はマットの上においた状態という感じで使うので、手が足りませんみたいな状態になり、使いやすくはありません。まぁそんなに頻繁に修理等をするわけでないなら、これで我慢するかという感じでしょうか。
そんな問題を解決してくれるスゴイやつ。その2つを一緒にやってくれるやつ、あります。以下がそれなのですが、こちらはかなりお値段がしてしまいますね。なのでDIY入門者向けでは無いので、ひとまず紹介まで。ちょっと使わせてもらったことがありますが、すごい便利でした。
前述のシュッ太郎NEOも使ったことはないのですが、便利なのかもしれません。
ルーペ/拡大鏡
はんだ付けするときってすごい細かい作業になります。よく見えない!そう思ったらルーペや拡大鏡があった方が良いです。自分は以下のものを使っています。
Amazonの評価を見ていると、ルーペは結構評価が低いものが多いように見えました。自分もこのヘッドバンド型のものの前に、アーム付きで机に固定するタイプのルーペを持っていたのですが、取り回しが悪くて失敗したと思っていました。
このあたり好みがあるかと思いますので、色々見比べてご検討いただけると良さそうです。自分はメガネをかけているので、その上からでも取り付けられるもの。そして年中ルーペをつけていたいわけでも無いのですぐに外せるという、このヘッドバンド型のものがかなり合っていました。
ライト
はんだ付けをする時、手元をかなり明るくする必要があります。机がすでにあり、読書をするのに適したような十分な明るさがある場合は不要ですが、そうで無い場合はライトは必須だと思われます。
自分の場合、他にも照明は色々あるんですが、はんだ付けするときには以下のク リップライトを使っています。
これはそんなに明るくもなく、オススメというほどでは無いのですが、はんだ付けをする時には机の上が道具だらけになるのでライトがそこにあると邪魔になることが多く、脇に避けられて、スポットで近づけててらせる安価なものということで、こちらを紹介しておきます。
なお、これはそんな丈夫なものでは無いので、私は写真にあるとおり、ライトの根元を曲げようとしてぶっ壊してしまったので、ガムテープで留めてます。
以上があった方が良いレベル1の道具でした。
4. あった方がいい レベル2
次があった方が良いレベル2の道具です。
これらは必須ではありません。ですがDIYしていくと欲しくなってくるようなものです。
ミニクランプ
基盤や部品をはんだ付けする時、しっかり固定をしておきたいことがあります。例えば基盤とパネルの間、複数の基盤を使う場合に使うコネクターをはんだ付けしたい場合など。そういう場合にはテープや輪ゴムで仮止めしたりすることがあるんですが、そういう場合にはこのミニクランプを使うと便利です。
これであればカッチリ止めて置けます。
一応注意点としては、このクランプはかなり力が強いので、無理に固定してしまうと部品を壊してしまうことがあるということでしょうか。この商品にはサイズのバリエーションがあるので、いくつか持っておくとよいかもしれません。自分はこの記事を書いていたら欲しくなって来たので、もう一つ大きいサイズのものも買ってみました。
ラジぷら
このラジぷらというものは、先がプラスチックのような素材でできているペンチ的な道具です。
これの何が良いかというと、先の素材がソフトであるがゆえに、シンセ自体を傷つけないというところです。具体的にモジュラーシンセで言うと、パネルへの部品取り付け時に活躍します。パネルのナットが固かったり、力を加えて部品を取り外すことがある場合、このラジぷらを使えばパネルを傷付けずに済みます。
金属製のペンチでそういうことをやると、パネルをすぐに傷つけてしまうことに気がつくことでしょう。
こて先ポリッシャー
はんだごてのこて先は、使っていると段々と黒ずんできたり、はんだが溶けづらくなってくるように感じられるようになります。そんな時にこて先をメンテナンスするのがこのこて先ポリッシャーというメンテナンス用品です。
はんだのこて先はコーティングされている ようで、それを復活させる的なもののようです。
こて先をクリーニングワイヤーなんかで軽く磨いて、これを付けた後にはんだをつけると、先がピカピカになり、また元通りにはんだが溶けるようになります。その理屈はちょっとよく分かってませんが、感覚的には、はんだごてを使い続けていると、だんだんとこて先に糸ハンダを当てても溶けないな?というタイミングが発生するようになってきて、そういう時にこれでメンテナンスすると、元通りすぐに糸はんだが溶けるようになるという感覚です。
こちらの使い方については以下のHAKKOのページを参考にしてください。
消し忘れ防止タイマー
はんだごてを使っていると、作業中はずっと電源を入れることになるため、消し忘れてしまうことがありえます。そんな時に便利なのが消し忘れ防止タイマーです。
これは、電化製品のプラグとコンセントの差込口の間に挟むことができる製品です。表にあるボタンで時間をセットすると、その時間が経過した後に電気を通さないようになります。
ずっとはんだごてをつけっぱなしにしておくと、こて先も痛みますし、何より危険です。自分は一度つけたまま外出してしまって、すぐに気づいて家に戻ったことがあります。ずっと作業するぞというようなときでも、このタイマーで4時間なりセ ットしてから始めると安全です。
以上があった方がよいレベル2の道具でした。
5. あった方がいい レベル3
最後にあった方が良いレベル3の道具です。これらは、取り急ぎは不要かと思いますが、続けていくうちに欲しくなるようなものをまとめました。
交換用こて先
まずは交換用のこて先。先が平らなものと、細いものの2つです。
はんだごてのこて先は、交換できるようになっています。慣れてきたら、先が平らなこて先をおすすめします。
はんだ付けのイメージは、始める前は、はんだを溶かすという意識になりがちですが、実際には、ランドを暖めて、その上に糸はんだをのせる。すると、はんだが溶けて流れ込むというのが実際に起こっていることです。なので、ランドを速く温めることが重要なのですが、そのためには先が平らなこて先を選び、なるべく寝かせて使うのが効率的です。別にあえていきなり買う必要はありませんが、何度かやってみたらこて先を交換し、その違いを感じてみるのも楽しいと思います。
そして、細いこて先は、SMD部 品やICチップを基板に直接はんだ付けする時に使います。SMD部品は非常に小さいので、最初からついているこて先ですとかなり大きいです。そういう時は、この先が細いこて先に交換してみると作業しやすいかもしれません。前者の平らなこて先を横からちょっと当てる感じで使うことも可能なので、そのあたりは部品の密集具合や好みで決めていいのかもしれません。スルーホール部品のはんだ付けに戻るときは、太いこて先に戻さないと、ランドを温めるのに無駄に時間がかかってしまうので注意してください。
正直そこまで細かいはんだ付けのエキスパートではないので、ここは特にご参考までに……!
フラックス&フラックスクリーナー
次にフラックス。これは主にSMD部品のはんだ付けに使います。そして、そのフラックスを落とすのがフラックスクリーナーです。
糸はんだの説明の時に、糸はんだにはフラックスが含まれていると書きましたが、そのフラックスだけをハケで塗ることができるようになっているものがこれです。使い方としては、ICの接着部分にフラックスを塗り、そこに脇からはんだを溶かしたものを流し込むイメージで使います。そして、そのフラックスを落とすのがフラックスクリーナーです。
フラックスを塗ったり、そうでなくても何度もやり直したりしていると、プリント基板の表面がフラックスで汚れてきます。そんな時にはフラックスクリーナーできれいに掃除できます。
何か動画でも無いと説明が難しいなと思っていたら、めちゃくちゃ優良 な解説動画を見つけました。というか、この記事で書いたこと、こちらの動画で漏れなく丁寧に解説してくださっているので、是非ご覧いただければと……!
精密ピンセット
最後は精密ピンセット。こちらもSMD部品をつまむのに使います。
SMDの抵抗とか、めちゃくちゃに小さいです。写真の通り。なので、SMD部品多いケースでは、実質精密ピンセットが無いとはんだ付けが困難でしょう。
2024年8月時点ですと、当店でSMD部品を自分で取り付けるタイプのDIYキットは、以下のAI026 Line I/O Interfaceのみです。そのようなはんだ付けをする際にはご用意されると良いかと思います
以上があった方が良いレベル3の道具でした。
以上です!いやーずいぶんとボリュームがある記事になってしまいました。
DIYキットを売ってみると、こんなん何の説明もなしに買うわけなくないか?と自分で感じていたので、DIYに興味を持った方が、道具選びやり方の参考にしていただけると幸いです。