OXI Instruments: OXI Split V2

作成: 2025/08/10 更新: 2025/10/08 Author: Takazudo
OXI Instruments: OXI Split V2

Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、OXI InstrumentsのOXI Split V2の紹介/解説記事です。

OXI Split V2は、OXI ONE MKII用のMIDI入出力拡張デバイスです。最大6つのMIDIポート、96チャンネルへと拡張可能で、複数のデバイスを統合してコントロールすることができます。

本商品は、以下よりご購入頂けます。

商品写真

OXI Split V2 正面
OXI Split V2 斜めアングル
OXI Split V2 背面
OXI Split V2 ディテール

OXI Split V2とは

OXI Split V2は、複数の機材にMIDI出力を行いたい場合に使用する拡張デバイスです。OXI ONE MKII自体は、MIDI OUTは一つのジャックしかありませんが、OXI Split V2を使用することで、最大6つのMIDI機器を同時にコントロールすることが可能になります。

主な特徴

  • 最大6つのMIDIポート:OXI ONE MKIIのポートを拡張
  • 96チャンネル対応:16チャンネル×6ポート
  • 独立したMIDIルーティング:各ポートに異なるチャンネルを割り当て可能
  • コンパクトデザイン:省スペースで効率的な配線
  • 高品質な信号伝送:遅延やデータロスを最小限に

なぜOXI Split V2が必要なのか

例えば、以下のようなMIDI対応モジュールを同時にコントロールしたい場合:

これらの機材には通常MIDI THRUインターフェースが備わっていないため、OXI ONE MKIIの単一のMIDI出力では、すべてを同時にコントロールすることができません。このような時、OXI Split V2を介すことで、3つ以上の機材に対して個別にMIDI出力を行うことが可能になります。

また、もちろんモジュラーシンセ以外のMIDIでコントロール可能なシンセサイザーやリズムマシン、サンプラー等も同様に接続可能。OXI ONE MKIIの可能性を広げます。

初代OXI Splitからの進化

OXI Split V2は、初代OXI Splitから以下の点で進化しています:

  • ポート数の増加:3ポートから6ポートへ
  • チャンネル数の拡張:48チャンネルから96チャンネルへ
  • 改善された回路設計:より安定した信号伝送
  • OXI ONE MKIIに最適化:新機能に対応した設計

使用方法

OXI Split V2の接続図2

セットアップ手順

OXI Split V2の接続図1

1. 物理的な接続

OXI Split V2とOXI ONE MKIIの接続には、TRSケーブル(3.5mm)を使用します。

  • OXI ONE MKIIのMIDI OUT端子とOXI Split V2のIN端子をTRSケーブルで接続
  • OXI Split V2の各MIDI OUT端子から、コントロールしたい機器へ接続
    • 2×5ピンDIN出力(OUT A、OUT B)
    • 4×TRS出力(OUT C、OUT D、OUT E、OUT F/THRU)

2. OXI ONE MKIIでの設定

OXI Split V2を使用するには、OXI ONE MKII側で設定が必要です。

  1. Config > MIDI > OXI Splitメニューにアクセス
  2. 接続しているデバイスに応じて選択:
  • OXI Split V1:3ポート出力(旧モデル)
  • OXI Split V2:6ポート出力(本製品)
  1. Split V2を取り外す場合は、設定をOFFに戻してください

3. MIDIチャンネルとポートの割り当て

各シーケンサートラックに対して、MIDIポートとチャンネルを割り当てます。

  • [Shift] + Seq [1] - [8]を押して、各シーケンサーの設定メニューにアクセス
  • 最初のページで、MIDIチャンネルとポートを設定
    • Ch(チャンネル):1-16
    • ポート:A, B, C, D, E, F
    • Out:出力先設定(ALL、特定ポート)
    • Mode:MONO/POLYモード設定

4. ポート構成

OXI Split V2を使用すると、以下の6つのポートが利用可能になります:

  • Port A(OUT A):チャンネル1-16(5ピンDIN)
  • Port B(OUT B):チャンネル1-16(5ピンDIN)
  • Port C(OUT C):チャンネル1-16(TRS Type A/B切替可能)
  • Port D(OUT D):チャンネル1-16(TRS Type A/B切替可能)
  • Port E(OUT E):チャンネル1-16(TRS Type A/B切替可能)
  • Port F(OUT F/THRU):チャンネル1-16(TRS Type A/B切替可能、MIDI Thru機能)

合計96チャンネル(16チャンネル×6ポート)

5. TRS端子のType A/B設定

OXI Split V2のTRS出力(OUT C、D、E、F)は、接続する機器に合わせてType AまたはType Bに切り替えることができます。Split本体のスイッチで各出力ごとに設定可能です。

6. MIDI Thru機能

Port F(OUT F/THRU)は、MIDI Thru機能として使用できます。OXI ONE MKIIの設定で、MIDI OutまたはThruを選択できます。これにより、外部から受信したMIDI信号を他の機器へパススルーすることが可能です。

設定例

例えば、3台のシンセサイザーを個別にコントロールする場合:

  • Sequencer 1 → Port A、Channel 1 → シンセ1
  • Sequencer 2 → Port B、Channel 1 → シンセ2
  • Sequencer 3 → Port C、Channel 1 → シンセ3

各機器の受信MIDIチャンネルを設定することで、OXI ONE MKIIから個別にコントロールできます。

活用例

大規模なセットアップ

  • 複数のデジタルシンセモジュール
  • ドラムマシン
  • サンプラー
  • エフェクトプロセッサー
  • 外部シーケンサー

これらすべてをOXI ONE MKIIから統合的にコントロール可能です。

ライブパフォーマンス

ライブ環境では、複数の機材を一つのシーケンサーでコントロールすることで、より複雑で豊かなパフォーマンスが可能になります。

OXI Split V2は、そのような大規模なセットアップの中核として機能します。

技術仕様

  • MIDI入力:1×TRS(3.5mm Type A)
  • MIDI出力:2×DIN(5ピン) + 4×TRS(3.5mm Type A/B切替可能)
  • 対応チャンネル:96チャンネル(16ch×6ポート)
  • 電源:USB給電
  • サイズ:コンパクトな筐体設計

OXI Instrumentsについて

OXI Instruments はスペインのバルセロナを拠点とする電子楽器メーカーです。

OXI ONEを代表とし、デジタル技術を活かしたハイスペックで利便性の高いモジュールもリリースしているのが特徴です。

OXI Split V2の紹介は以上になります。

OXI ONE MKIIを使用して複数のMIDI機器をコントロールしたい方にとって、必須のアクセサリーです。より大規模で複雑なセットアップを構築し、創造的な可能性を広げることができます。

ご参考になれば幸いです。