
Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、OXI InstrumentsのOXI Split V2の紹介/解説記事です。
OXI Split V2は、OXI ONE MKII用のMIDI入出力拡張デバイスです。最大6つのMIDIポート、96チャンネルへと拡張可能で、複数のデバイスを統合してコントロールすることができます。
本商品は、以下よりご購入頂けます。
商品写真




OXI Split V2とは
OXI Split V2は、複数の機材にMIDI出力を行いたい場合に使用する拡張デバイスです。OXI ONE MKII自体は、MIDI OUTは一つのジャックしかありませんが、OXI Split V2を使用することで、最大6つのMIDI機器を同時にコントロールすることが可能になります。
主な特徴
- 最大6つのMIDIポート:OXI ONE MKIIのポートを拡張
- 96チャンネル対応:16チャンネル×6ポート
- 独立したMIDIルーティング:各ポートに異なるチャンネルを割り当て可能
- コンパクトデザイン:省スペースで効率的な配線
- 高品質な信号伝送:遅延やデータロスを最小限に
なぜOXI Split V2が必要なのか
例えば、以下のようなMIDI対応モジュールを同時にコントロールしたい場合:
これらの機材には通常MIDI THRUインターフェースが備わっていないため、OXI ONE MKIIの単一のMIDI出力では、すべてを同時にコントロールすることができません。このような時、OXI Split V2を介すことで、3つ以上の機材に対して個別にMIDI出力を行うことが可能になります。
また、もちろんモジュラーシンセ以外のMIDIでコントロール可能なシンセサイザーやリズムマシン、サンプラー等も同様に接続可能。OXI ONE MKIIの可能性を広げます。
初代OXI Splitからの進化
OXI Split V2は、初代OXI Splitから以下の点で進化しています:
- ポート数の増加:3ポートから6ポートへ
- チャンネル数の拡張:48チャンネルから96チャンネルへ
- 改善された回路設計:より安定した信号伝送
- OXI ONE MKIIに最適化:新機能に対応した設計
使用方法

セットアップ手順

1. 物理的な接続
OXI Split V2とOXI ONE MKIIの接続には、TRSケーブル(3.5mm)を使用します。
- OXI ONE MKIIのMIDI OUT端子とOXI Split V2のIN端子をTRSケーブルで接続
- OXI Split V2の各MIDI OUT端子から、コントロールしたい機器へ接続
- 2×5ピンDIN出力(OUT A、OUT B)
- 4×TRS出力(OUT C、OUT D、OUT E、OUT F/THRU)
2. OXI ONE MKIIでの設定
OXI Split V2を使用するには、OXI ONE MKII側で設定が必要です。
- Config > MIDI > OXI Splitメニューにアクセス
- 接続しているデバイスに応じて選択:
- OXI Split V1:3ポート出力(旧モデル)
- OXI Split V2:6ポート出力(本製品)
- Split V2を取り外す場合は、設定をOFFに戻してください
3. MIDIチャンネルとポートの割り当て
各シーケンサートラックに対して、MIDIポートとチャンネルを割り当てます。
- [Shift] + Seq [1] - [8]を押して、各シーケンサーの設定メニューにアクセス
- 最初のページで、MIDIチャンネルとポートを設定
- Ch(チャンネル):1-16
- ポート:A, B, C, D, E, F
- Out:出力先設定(ALL、特定ポート)
- Mode:MONO/POLYモード設定
4. ポート構成
OXI Split V2を使用すると、以下の6つのポートが利用可能になります:
- Port A(OUT A):チャンネル1-16(5ピンDIN)
- Port B(OUT B):チャンネル1-16(5ピンDIN)
- Port C(OUT C):チャンネル1-16(TRS Type A/B切替可能)
- Port D(OUT D):チャンネル1-16(TRS Type A/B切替可能)
- Port E(OUT E):チャンネル1-16(TRS Type A/B切替可能)
- Port F(OUT F/THRU):チャンネル1-16(TRS Type A/B切替可能、MIDI Thru機能)
合計96チャンネル(16チャンネル×6ポート)
5. TRS端子のType A/B設定
OXI Split V2のTRS出力(OUT C、D、E、F)は、接続する機器に合わせてType AまたはType Bに切り替えることができます。Split本体のスイッチで各出力ごとに設定可能です。
6. MIDI Thru機能
Port F(OUT F/THRU)は、MIDI Thru機能として使用できます。OXI ONE MKIIの設定で、MIDI OutまたはThruを選択できます。これにより、外部から受信したMIDI信号を他の機器へパススルーすることが可能です。
設定例
例えば、3台のシンセサイザーを個別にコントロールする場合:
- Sequencer 1 → Port A、Channel 1 → シンセ1
- Sequencer 2 → Port B、Channel 1 → シンセ2
- Sequencer 3 → Port C、Channel 1 → シンセ3
各機器の受信MIDIチャンネルを設定することで、OXI ONE MKIIから個別にコントロールできます。
活用例
大規模なセットアップ
- 複数のデジタルシンセモジュール
- ドラムマシン
- サンプラー
- エフェクトプロセッサー
- 外部シーケンサー
これらすべてをOXI ONE MKIIから統合的にコントロール可能です。
ライブパフォーマンス
ライブ環境では、複数の機材を一つのシーケンサーでコントロールすることで、より複雑で豊かなパフォーマンスが可能になります。
OXI Split V2は、そのような大規模なセットアップの中核として機能します。
技術仕様
- MIDI入力:1×TRS(3.5mm Type A)
- MIDI出力:2×DIN(5ピン) + 4×TRS(3.5mm Type A/B切替可能)
- 対応チャンネル:96チャンネル(16ch×6ポート)
- 電源:USB給電
- サイズ:コンパクトな筐体設計
OXI Instrumentsについて
OXI Instruments はスペインのバルセロナを拠点とする電子楽器メーカーです。
OXI ONEを代表とし、デジタル技術を活かしたハイスペックで利便性の高いモジュールもリリースしているのが特徴です。
OXI Split V2の紹介は以上になります。
OXI ONE MKIIを使用して複数のMIDI機器をコントロールしたい方にとって、必須のアクセサリーです。より大規模で複雑なセットアップを構築し、創造的な可能性を広げることができます。
ご参考になれば幸いです。