Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、ADDAC SystemのADDAC712 Vintage Preの紹介/解説記事になります。
ADDAC712 Vintage Preは、70年代に伝説的な機器で使用された有名なディスクリートプリアンプボードをベースにした、2チャンネルのディスクリートゲインステージアンプです。特徴的なサチュレーション/ディストーション効果を作り出します。
こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。
ADDAC712 Vintage Preの特長
ADDAC Systemが本モジュールをデザインする際に、オリジナルとなるプリアンプボードへ注目したのは、そのボードがオーディオをクリップさせることにより発生する、サチュレーション/ディストーションのキャラクターが魅力的であるという理由でした。
このモジュールは、モジュラーシグナルにディストーション/ファズのキャラクターを追加するだけでなく、バランス入力を取り込むモジュールと連携させることで、ギター、キーボード等の外部オーディオソース用のプリアンプとして使用することが可能です。
インターフェースの概要
このモジュールのパネルにあるノブは、以下の2つのステージのゲインをコントロールします。
- A: PREAMPステージGAIN(上側のGAINノブ)
- B: OUTPUTステージGAIN(下側のOUTPUTノブ)
そして、パネル上部のBYPASSスイッチは、入力シグナルが、AのPREAMPステージを通す(スイッチ上側)か通さない(スイッチ下側)かを切り替えます。
PREAMPステージGAINの増幅幅は、GAINノブ(A)によって設定され、最大の増幅量はユーザーがMAX GAINトリマーを使用して設定できます。
±5.5vまでの入力信号はその整合性を保ちますが、その点を超えるとサチュレーション具合が増加し始めます。約±6vでハードクリッピングが始まります。このクリッピングには特有の質があり、この性質がこのモジュール独特のトーンを作り出します。極端なレベルでは、オーディオの0vバイアス基準が上方向に移動し、ゲートのようなシグナルの形の出力を生み出します。
パネル下部のOUTPUTノブ(B)は、最終的なボリュームレベルをコントロールします。また、その横にあるCLIP LEDは、最終OUTの出力クリッピングを視認するためのものです。
使い方としては、上側のGAINノブを回して、クリップ具合をコントロールし、下側のOUTPUTノブで最終的なボリュームを調整するという形になります。
ADDAC712 Vintage Preの使い所
このADDAC712 Vintage Preの使い所は、なんといってもこのモジュールの作り出す音の歪み具合でしょう。私個人的には、ドラムでもベースでも、音がかなり潰れている感じのハードなテクノ類の音楽が好きなので、このモジュールはいくつでも欲しくなってしまうモジュールです。
一口に、サチュレーション/ディストーションと言っても、その音響処理は、使用されている回路や、デジタルであればそのアルゴリズムにより、多種多様な音の違いがあります。