ADDAC System: ADDAC305 Manual Latches紹介

2024/05/25 Author: Takazudo

Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、ADDAC SystemのADDAC305 Manual Latchesの紹介/解説記事になります。

ADDAC305は、8つのラッチスイッチ(押されるたびにON/OFFが切り替わるタイプのスイッチ)と、それに対応する8つの出力ジャックを基本とする、マニュアルGate出力モジュールです。それぞれのボタンは、押されるとボタン自体が光り、ONになっていることを示します。そしてもう一度押されるとライトは消え、OFFになります。ボタンがONになっている間だけ、対応するジャックより、+5Vの固定CVを出力します。

また、8つのうちの4つには、別途CV入力用のジャックが用意されています。このジャックにケーブルが接続されている場合、対応する出力ジャックからは、+5Vの固定CVの代わりに、入力されたCVがそのまま出力されます。

機能としては非常に単純なモジュールですが、モジュラーシステムを用いたパフォーマンスに幅広く使えるモジュールです。

こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。

商品写真

写真:商品表側

写真:商品横側

写真:商品裏側

ADDAC304 Manual Gates と ADDAC305 Manual Latches

まず、このモジュールは以下のADDAC304 Manual Gatesの兄弟モジュールのようなもので、ADDAC304の紹介記事の内容と共通する部分が大変多いモジュールです。

ADDAC304の方は「スイッチが押されている間だけGateを出力するモジュール」で、こちらのADDAC305は「スイッチがONになっている間だけGateを出力するモジュール」であり、他の部分は完全に同じです。なのでまずは上記、ADDAC304の紹介にざっと目を通したうえで、本記事の内容に目を通していただければと思います。

ラッチスイッチの使いどころ

基本的にはこのモジュールの使い所としては、前述のADDAC304 Manual Gatesの記事で書いた内容がそのまま当てはまります。ビートに合わせるためにS&Hを使える点も、他のモジュールからのCV出力を扱える点も同様です。

2つのモジュールの違いとしては、こちらのADDAC305の方は、一度ONにしたあとは、もう一度ボタンが押されるまではずっとONのままであるため、永続的に状態を変化させたい場合に利用しやすいという点が挙げられます。本記事では、3つほど利用例を紹介します。

Mute/Unmute

ひとまず、このモジュールはON/OFFがボタンの明るさで示されるので、単純に永続的なMute(ミュート)/Unmute(アンミュート)のコントロールとして便利に使うことが出来ます。

例えばOXI ONEから以下4つのドラムトラック用のGateシーケンスを出力。

  • Kick
  • Snare
  • Hi-Hat
  • Clap

それぞれをこのADDAC305の2/4/5/7番のINPUTへ接続。OUTPUTをそれぞれのドラムモジュールのトリガーに渡すように接続しておけば、ADDAC305は4トラック分のMuteスイッチとして機能します。

シンプルですが、Mute/Unmuteの制御がまとまっているのは便利です。

CVやエフェクトのトグル

モーメンタリスイッチのADDAC304では、フィルタを有効にしたいあいだ、ずっとボタンを押し続けていなければなりませんが、ラッチボタンであるこのADDAC305であれば、1度押したら、次にもう一度押されるまではずっとONのままです。

ADDAC304 Manual Gatesの紹介記事の中で、FMモジュレーションをかけたり、エフェクトを変化させたりという例を挙げましたが、これをしばらくの間続けたい時は、こちら、ラッチボタンのADDAC305の方が向いていると言えるかもしれません。ただ、ADDAC304の方では、単発のサンプルを鳴らす/一時的にアンミュートするという使い方を紹介しましたが、そのような「ちょっとだけONにしたい」ケースにおいては、ラッチスイッチのADDAC305ではやり辛いでしょう。

このあたりは、自分がどの様にモジュラーシンセを使いたいかによって使い分けると楽しそうです。どっちのほうが効率的だとかそういう話ではなく、そういう部分の道具の選択自体がモジュラーシンセの楽しさの一つだと思うので、自分がどの様に何をしたいのか考えて、使い分けてみるのがオススメです。

シーケンスCVの上下

もう一つ、これは筆者Takazudoがよくやっていることなんですが、何かしらメロディーラインの元となるCVに、固定のCVをMixして、音階を一気に下げたり上げたりということをすることがあります。この時に、このラッチスイッチのようなCVコントロールがあると、思ったタイミングで音階に変化を与えられて便利です。

例えば、OXI ONEのModulation Lane(モジュレーションレーン)を使い、CVのシーケンスをループさせ、それをADDAC207 Intuitive Quantizerに渡し、Oscillator(オシレーター)へ渡していたとします。この時、もちろんOXI ONEだけでもいかようにもシーケンスを組むことはできるものの、OXI ONEのModulation Laneで繰り返されるCVのパターンを、一時的に1オクターブ下げたいというようなことを行うのは難しいです。(Noteを一つずつ置いていく通常のモードでは可能ですが、ここではひとまずModulation LaneでCVを作るという方法で操作しているとします)

このような時、ADDAC203 REV.02 CV Mappingのように固定のCVを出せるモジュールから、例えば-1Vの固定CVを出力させ、このADDAC305に入力、ラッチボタンがONになっている時だけこの-1VのCVを出力させ、OXI ONEからのシーケンスCVとMixのうえQuantizerへ。すると何が起こるかというと、ADDAC305のラッチボタンが、メロディーを1オクターブ分下げるスイッチとして機能することになります。

ここでは例としてわかりやすくするため、-1Vで1オクターブ下げると書きましたが、実際にいじっている時はもっと感覚的で、なんとなく良い音程になるようにCVを作って、それをいくつか用意しておいて混ぜると言う具合に自分は使っています。

以下、筆者Takazudoのセッション動画では、構成は違いますが、Sycamoreのピッチを上下させるShiftジャックへ、このADDAC305からの固定CV出力をつなぎ、ラッチスイッチをONにしている間だけ、メロディーラインを上下させています。

文章で解説するとややこしいですが、実際にはCVを足したり引いたりしてメロディーを変化させて遊んでいるという感覚に近いです。それがとても楽器的だと自分は感じます。是非色々と試してみていただければと思います。

参考動画

以下は、ADDAC Systemの公式YouTubeチャンネルにて公開されている、本モジュールADDAC305 Manual Latchesと、ADDAC304 Manual Gatesの解説動画です。

この動画では、ADDAC304とADDAC305を使い、以下のような制御をすることで、リアルタイムなパフォーマンスを行っている様子が確認できます。

  • シーケンサーからのGate出力をON/OFF
  • シーケンサーのリセット
  • ドラムモジュールのトリガー
  • ディレイのトリガー
  • 押している間だけエフェクトをONに

技術仕様

  • 幅: 8Hp
  • 深さ: 25mm
  • CV入力電圧: ±10v
  • Gate出力電圧: 0/+5v
  • 最大消費電力: 10mA

付属品

  • フラットケーブル
  • ネジ

マニュアル

このモジュールには特にマニュアル等は用意されていません。
不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。

ADDAC Systemについて

ADDAC Systemはポルトガルのモジュラーシンセメーカーです。

アナログ良さを生かした、ベーシックな機能をしっかり形にしているモジュールラインナップを基本としつつも、CVをMIDIに柔軟にコンバートしたり、高度にコントロール可能なグラニュラープロセッサー等、デジタル技術もうまく調和させた独創的なモジュールも数多くリリースしています。

電氣美術研究會

オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

電氣美術研究會

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。

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