OXI Instruments: OXI Meta紹介

2024/08/14 Author: Takazudo

Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、OXI InstrumentsのOXI Metaの紹介/解説記事です。

OXI Instruments OXI Metaの紹介記事になります。OXI Metaは、6種類のトランジションエフェクトを切り替えて使うことのできる、ライブパフォーマンス指向のステレオエフェクターモジュールです。ダンスミュージックでよく使われるダイナミックな展開を、高品質なエフェクトで演出することが可能になります。

こちらの商品は、以下よりご購入頂けます。

商品写真

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OXI Metaの特徴

OXI Metaはライブパフォーマンスに最適化された、6種類のトランジションエフェクトが搭載されたステレオエフェクターモジュールです。このOXI Metaが特徴的なのは、以下の2つであると言えるでしょう。

  1. トランジションエフェクトに特化していること
  2. ライブパフォーマンスに最適化されたインターフェース

エフェクターモジュールは世の中にたくさんありますが、この2つの特徴はMetaがオンリーワンな存在であることを印象づけるものです。

OXI Metaの内蔵エフェクト

6種のエフェクトボタン

OXI Metaに内蔵されているエフェクトは、以下の6種類です。これらをモジュール下部のボタンで切り替えて使用します。

  • Space
  • Riser
  • DJ Filter
  • Loop/Beat-Repeat
  • Delay
  • Gater

それぞれのエフェクトは以下のようなものです。

Space
Shimmer/Long Tailの2種類のReverb(リバーブ)
Riser
2種類のHigh Pass Filter/Reverb/Noiseの混合エフェクト
DJ Filter
トランジション用に調整された調整されたHigh Pass Filter/Low Pass Filter
Loop/Beat-Repeat
Clock同期可能な2種類のルーパー
Delay
2種類のClock Delay。High Pass Filter/Low Pass Filter付き
Gater
ボリュームをClock同期させつつ削るGateエフェクト。スネアロールを追加/Reverb + High Pass Filterを追加

百聞は一見にしかず(一聴?)なので、まずは以下OXI Instrumentsの公式デモ動画を是非ご覧ください。あーこういうのよく聴く展開的なエフェクト、分かるけどモジュラー単体だとこれをやるのはそこそこ手間だったりします。

もしくは、こういうのが欲しかった!と思われた方にとっては、このMetaは、モジュラー界のMissing moduleであったとすら感じられるかもしれません。少なくともOXI Instrumentsはそういうつもりでこのモジュールを開発していたと想像されます。こういうの無かったけど欲しかったので作りましたという印象を受けます。

即戦力なエフェクト+

OXI Metaのポイントとしては、搭載されている6つのエフェクトそれぞれが単純なエフェクトではなく、トランジション用に色々と組み合わさって作られた、複合的なエフェクトであるという点が挙げられるでしょう。

例えばGaterのエフェクトについてはこれが顕著で、FXノブ(一番大きい中央のノブ)を左に回すと、Reverbと共にスネアロールが加わるのです。もちろん何もドラムの音源など入力しなくてもです。

ほか、Riserのエフェクトも同様の趣向が凝らされています。FXノブを右に回すとReverb + High Pass Filterがかかるのと併せて、ノイズが加わります。そして逆に左に回すと、ピッチが上がっていくようなSaw waveの音が加わるような効果が得られます。これらは是非前述の動画で確認してみてください。

そしてこれらエフェクトの多くは、Clock同期できるという点も使いやすいポイントです。Clockに同期したスネアロールやDelay、Gateエフェクトそれぞれは、自前でセットアップしようとするとなかなか手間がかかりますが、そのような気の利いたエフェクトがこのMetaには詰まっています。

エフェクトというか、スネアやらオシレーターを足しているのですから、エフェクト以上の何かという感じです。

パフォーマンスに向いたインターフェース

そのようにエフェクトが作り込まれている点も大きなところですが、トランジション用に使いやすいインターフェースが備わっていることも大きいポイントかと思われました。

OFFボタンで一発エフェクト解除

FXノブとOFFボタン

例えばDJ Filterを選んだとき、FXノブを右回りに回すとHigh Pass FilterのFrequency(周波数)を上げていき、低音をカットする挙動になりますが、こうやって低音を削った後、OFFボタンを押すと、High Pass Filterが一切かかっていない状態に一瞬で戻るのです。これはテクノやトランス等のダンスミュージックでよく使われる展開で、ブレイクが終わったら元に戻すみたいなやつなのですが、モジュールだけでこれを再現させようとするとそこそこ手間です。

例えばオシレーターの出力を2つに分岐、片方にはHigh Pass Filterをかけ、もう片方にはそのまま。この2つの出力をボタンで即座に切り替えられるようにするするなどのパッチを組む必要があります。

当店で扱っているモジュールで言えば、ADDAC305 Manual LatchesADDAC203 REV.02 CV MappingADDAC604 Dual Filterらを組み合わせればできそうで、そういうのを試すのもモジュラーシンセの楽しみの一つであるとは思いますが、それが一つの、それも6HPで3cm未満というコンパクトなモジュールで手軽にできるというのはやはり便利です。

さらにこのエフェクトが6つ入っているわけでして、それぞれを再現しようと頑張ってパッチングしたとすると、かなりの数のモジュールになってしまうと想像されます。

ライブパフォーマンスに配慮した設計

HPFリリースの挙動説明

ここからはちょっと込み入った話をします。

そうやってHigh Pass Filterをかけて、OFFボタンを押したとします。このOFFボタンを押した際、High Pass Filterが解除されたのはよいものの、FXノブは以前右側に回した状態のままになっています。図のような状態を想像してください。このノブの状態で、High Pass Filterは解除されているのです。

普通に挙動を想像するのであれば、この状態でノブを少しでも動かしたら、High Pass Filterがいきなりかかってしまいそうです。そうですよね、ノブは右にそこそこ回されているわけですから。ですがMetaではそうはなりません。FXノブを中央に戻すまでは、High Pass Filterはかからず、中央に戻した時に再度有効になるように設計されています。

この挙動は同OXI InstrumentsのCoralにも見られた実装で、1つのノブが単純にパラメータと1対1で紐付いているわけでは無く、ボタンや他の要因によりも変更されることを見越した、デジタルモジュールならではの配慮の行き届いた設計です。地味ですが、OXI Instrumentsのデジタルモジュールを丁寧に作ろうという姿勢を感じます。

私とトランジションエフェクト

筆者Takazudoは、このようなトランジションをモジュールでもやりたかったため、普段iPad + Expert Sleepers ES-9を最終ミキサーにしていることもあり、LaunchpadmiRackKoala FX等を組み合わせ、Clockに同期してトランジション用のエフェクトをON/OFFできるように仕込んで、普段使いしていました。なので、このMetaがリリースされ、まさにこれは自分がそういうモジュールが無くて欲しかったもの!という感想でした。ダンスミュージック的な展開をモジュラーでやりたい方には是非オススメしたいモジュールです。

また、このモジュールに組み込まれているRiserというエフェクトは、似たように複合的な処理をしているENDLESS SMILEというDAW向けVSTプラグインがあり、こちらも似たようなアプローチです。参考までに見てみると面白いかもしれません。

OXI ONEやOXI Coralとの組み合わせ

OXI Instrumentsの製品を扱っていて感じるのは、OXI Instrumentsは順々に、思い描いているモジュールを順々に設計してリリースしているという印象です。

はじめOXI ONEがリリースされたとき、それはシーケンサーでした。それにぴったり合うOXI Coralを設計し、これは明らかにOXI ONEとパーフェクトマッチな組み合わせを考えて作られているという印象です。そんなOXI Coralにもエフェクトが色々搭載されていますが、すべてはMIDI制御であり、OXI ONEの中ですべての操作を行わねばなりません。筆者Takazudoは普段OXI ONEを使っていますが、OXI ONEは割と何でもできるシーケンサーですが、どう頑張ってもOXI ONEのパッドと4つのノブしかインターフェースは無いので、あれもこれも一つのボタンを押してできるようにはなっていないのです。

そこにこのOXI Metaが追加されたのは、まさに「あとこれがあると良いですよ」と言われているような気分です。OXI製品との組み合わせだけでなく、マスターアウトの手前にこのOXI Metaを挟み、展開を加えたいときにちょっと操作するだけで、ストーリー性のある展開を作り出すことができるでしょう。

OXI Metaを使ってみた動画

私Takazudo自身も自分で使ってみた動画が以下です。この動画ではWeston Precision AudioAD110B2を鳴らしており、それらをまとめてOXI Metaに渡しているのですが、OXI Metaだけで色々と変化をつけられることがご確認いただけるのでは無いかと思います。

以下でも同様にAD110とB2をまとめてOXI Metaに渡し、展開するときにエフェクトをかけています。

その他参考動画

以下はDivKid氏によるOXI Metaの解説動画です。一つ一つのエフェクトについて、デモを用意して解説してくれています。全機能を把握したい方はこちらを是非ご覧いただけると良いと思います。

以下はRed Means Recording: Jeremy氏による、OXI Metaのワークアウト動画?です。単純に楽しいので是非ご覧ください。

マニュアル

本製品のマニュアルは、以下OXI Instrumentsの公式サイトよりダウンロード可能です。(英語のみ)

概ね見たとおりの機能ですが、一つ見落としがちなポイントをお伝えしておきますと、OFFボタンを5秒感押し続けるとボタンが点滅し、入力ゲインを調整するモードになります。この状態でCTRLノブを回すと、入力ゲインの調整が行えますので、ボリュームが小さいと感じる方はお試しください。

付属品

  • フラットケーブル
  • ネジ

技術仕様

  • 幅: 6Hp
  • 深さ: 22mm
  • 消費電力: 110mA +12V/20mA -12V/0mA 5V
  • オーディオ入出力
    • 2x Mono DC coupled outputs(±5V)
    • 2x Mono AC coupled inputs(±5V)
  • CV入力
    • 2x CV inputs ±5V(±10V max)
    • 1x Clock input

製品の保証について

こちらの商品はメーカー規定で、一般的な通常の使用環境を前提とした2年の保証を約束していただいており、販売させていただいています。商品の不具合等がございましたらお問い合わせ下さい。

OXI Instrumentsについて

OXI Instrumentsはスペインに拠点をおく楽器メーカーです。

手軽に、そして直感的に音楽を創造することができる、イノベーティブなツールを開発しています。Oxi Instrumentsの商品はいずれもデジタル技術を活かした、クリエイティブなアイデアに溢れています。

電氣美術研究會

オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

電氣美術研究會

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。

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