ADDAC System: ADDAC219OUT Dual Mono > Stereo

作成: 2025/05/26 Author: Takazudo

Takazudo Modularにて取り扱わせて頂いている、ADDAC SystemのADDAC219OUT Dual Mono > Stereoの紹介/解説記事になります。

ADDAC219OUT Dual Mono > Stereoは、ユーロラックシステムから外部ステレオ機器への信号出力を簡潔に行うことが可能な、パッシブ型の3HPモジュール。2つのモノラル入力(左/右)を1つのTRSステレオ出力に統合。そしてモジュラーシンセのレベルをラインレベルにアッテネート(レベルを下げる)した上で、3.5mm TRSステレオジャックからアウト。3系統の独立したセクションを備え、複数の出力を一括で外部機器に送ることが可能です。

本商品は以下よりご購入頂けます。

商品写真

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モノラル2つをステレオに統合

このモジュールの機能は単純でして、前述した通りのシンプルな機能、モノラル2つをステレオに変換。レベルを落として出力!です。

ユーロラックでシステムを組んでいると、ほとんどの場合、オーディオはモノラルで扱うことが一般的です。しかし、他の機材と併せて使う際には、ステレオシグナルとしてTRSケーブルで送りたくなることもあります。そういった場合、変換ケーブルを使ってモノラル2系統を1つに統合することも可能ですが、このようなモジュールがあると、よりすっきりとしたセットアップが実現できます。

例えば、当店で扱っている、TRSジャックでステレオ入力の機能を持っている機器として、以下のWingie2が挙げられます。

この商品については上記記事をご参照頂ければと思いますが、Wingie2は、入力されたステレオのオーディオシグナルに、共鳴を生かした音響処理(レゾネーター)を行うことの出来る電子楽器です。

こういった機材とユーロラックモジュラーシンセを接続したい時、このADDAC219OUTが活躍します。

オーディオレベルの違いを調整

ADDAC219OUTは、モノラル2つをステレオへと変換してくれるだけでなく、オーディオシグナルのレベル差を調整してくれる機能も備えています。

ユーロラック規格のモジュラーシンセでは、オーディオ信号は通常±5V前後と高めの電圧でやりとりされますが、外部のライン機材(ミキサー、レコーダー、オーディオインターフェースなど)は±2V以下の入力レベルを前提として設計されていることが一般的です。これはつまり、ユーロラックのオーディオ信号の電圧は、多くの音楽機材と比較してデカすぎるということです。

これは楽器の成り立ちの歴史的な背景によるもので、多くの電子楽器はオーディオ波形を±2V以下で扱っていたが、ユーロラックモジュールでは±5V前後で扱っていたという違いがあるために発生している問題です。この電圧差があるため、外部音楽機材のオーディオをユーロラックに取り込むとき、音量の小ささが気になることがあります。

このモジュールは、そのような信号レベルのギャップを解消し、適切なラインレベルへの減衰(アッテネート)も併せて行ってくれます。外部機器への接続をスマートに行いたい場面や、ステレオ信号としての扱いを想定した音作りに最適です。

ステレオミキサーモジュールやアッテネーターと併用してのヘッドホンモニター

ADDAC219OUTは、モノラル2つを、ステレオに統合し、TRSジャックでオーディオ出力してくれるというモジュールです。これは、簡易的なヘッドホンモニター用の端子としても利用できます。

一般的なヘッドホンは、3.5mmステレオミニプラグであるため、このADDAC219OUTの出力ジャックにそのまま接続できます。ADDAC713 Stereo Discrete MixerのようなL/R2系統の出力を持つミキサーモジュールや、Meng Qi: DSVのようなステレオアッテネーターと組み合わせることで、簡易的なヘッドホンモニタ環境を作ることも可能です。

3.5mmステレオTRSジャックでオーディオ入力出来る機材例

このモジュールが出力として備えている3.5mmステレオTRSジャックは、比較的小型のガジェット系音楽機材で見受けられます。このオーディオ入力端子は、具体的には以下のような製品に搭載されています。

このような機材と連携したい場合、セットアップにADDAC219OUTを用意しておくと、すっきりした接続が可能になります。

関連商品

このモジュールとは逆の、ステレオをモノラル2つに分解するモジュールも同ADDAC Systemからリリースされており、当店でも取り扱いがあります。

こちらも併せてご参照頂ければと思います。

技術仕様

  • 幅: 3HP
  • 深さ: 15mm
  • 消費電力: パッシブモジュール(電源不要)

付属品

  • ネジ

ADDAC Systemについて

ADDAC Systemはポルトガルのモジュラーシンセメーカーです。

アナログ良さを生かした、ベーシックな機能をしっかり形にしているモジュールラインナップを基本としつつも、CVをMIDIに柔軟にコンバートしたり、高度にコントロール可能なグラニュラープロセッサー等、デジタル技術もうまく調和させた独創的なモジュールも数多くリリースしています。

オマケ: 電氣美術研究會モジュラー小物セット付き

電氣美術研究會

モジュラーシンセをもっと多くの方に触って欲しいという願いの元、電氣美術研究會さまにご協力頂き、モジュラー小物セットを本商品にバンドルさせて販売させていただいております。

パッチケーブルや電源ケーブル、ドレスナットのサンプルセット、モノラルスプリッターなど、内容は時期に応じて変化します。商品に同梱しますので是非お試し下さい!

ADDAC219OUT Dual Mono > Stereoの紹介は以上になります。

ご参考になれば幸いです。